インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

17歳的天空/搖滾教室

旧暦の端午節で仕事が休みになったので、久しぶりに台湾映画を観る。ロードショーを見逃していた《17歳的天空》。台北を舞台にしたゲイ・ムービーで、一時期かなり話題になっていた。いつものワーナーのシネコンではなく、雑居ビルを改造したような古い映画館。ワーナーのシネコンは自分のところで売っているコカ・コーラやポップコーン以外、外からの飲食物の持ち込み禁止などとお堅いことをいうのだが、こういう古い映画館はフリーパス。みなさんいろんなものを持ち込んで二本立て映画の長丁場を持たせている。わたしも外で買った“酸梅汁”と“科学麺*1”を持ち込む。台湾映画を観にいくといつもがらがらなのだが、今日は満席だった。若い女性が多い。どうやらこの映画に出ている楊祐寧やDuncan、金勤らのファンらしい。
kexue.jpg映画としては、おおはずれ。ファンが黄色い声援を上げていることでもわかるが、これはアイドルを前面に押し出したビデオ・クリップみたいなものだ。内容的にはコメディだが、セリフ回しがあまりに予定調和的で、ふた時代くらい前の小劇場芝居を観ているようなノリ。脚本も演技も撮影もかなりおざなりだと思った。まあアイドル映画なのだ、正面切っての感想を縷々述べるのも野暮というものかもしれない。
振り返ってみると、これまで観たゲイ・ムービーにカテゴライズされる映画のなかで、のちのちまで反芻するに足ると思ったのは陳小春と林子祥が主演した《基佬四十》*2くらいのものだ*3。話題になった《美少年の恋》も《藍宇》も、私はあまり心に残らなかった。日本映画の『二十歳の微熱』や『ハッシュ』に到ってはそれ以下。おっと、話が日本映画に及ぶと、長い低迷に対する悔しさも手伝ってつい独断的になる。
rock.jpgそのかわりと言っては何だが、同時上映でやっていた『The School of Rock』がよかった。主演のジャック・ブラックは藝達者で、まるでこの映画をやるために生まれてきたような人だ。プロフィールを見たら自分より年下でちょっとショックを受ける(笑)。ストーリーとしては単純だけど、子供達の表情がよい。黒人の大柄な女の子の堂々とした歌いっぷりはさすがだし、華人系のピアノがうまい男の子はほとんど素のまま演技していて*4、いずれも民族の違いかなあと思った。

*1:ベビースターラーメンに似たスナック菓子。

*2:邦題は「Be My Boy」。

*3:陳小春の演じたゲイは、過度になよなよしたいわゆる「おネエ」ふうの型にはまったものではなく、よく考えられたものだった。

*4:いや、演技していないか。