インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

『礼儀作法入門』(山口瞳/新潮文庫/2000年)を読む。昨年あたりから、山口瞳氏がリバイバル・ブームだという。週刊新潮に連載されていた有名なコラム「男性自身」なども次々に文庫化されているそうな。で、私もブームに乗ってこの本を読んでみたのだけれど、正直に言ってあまりピンとこなかった。たぶん時代的なものがあるのだろう。私にはちょっと文体が古くさく感じられる。古い文体だってよいものはよいはずなのだが。
ご自分のこだわりをあれこれ蘊蓄ふうに紹介して、これは私もかなりスノッブな人間なので楽しめるのだが、そのあとなぜか山口氏はそれを「でも、ほんとは違うんだよね」と落とす。それも頻繁に。それがファンにとっては無頼漢的な魅力になるのかもしれないが、私にとってはなんだか軽い詐欺にあったようで気分が悪かった。職場の女性に相談されて、いろいろ親身になって話を聞いていたら、最後に「というのは、ぜ〜んぶ嘘。本気で信じた?」と言われた時みたい*1

*1:いや、その実際にそういうことがあったというわけでもなくて、いわゆる一般論としてですね、あわわ。