インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

蒐俚語。

QianChong2004-06-16

「ね元気ぞすか」に代表される《説日語》的日本語は、ひらがな・カタカナのいくつかが置き換わるだけで爆発的なおもしろさが醸し出される。まず、読んだ時に元の「お元気ですか」が同時に頭に思い浮かぶので、それとの落差が笑いのツボを押すのだろう。
また、声に出してみた時の違和感も笑いを呼ぶ引き金になる。ここには方言を笑いのネタにするのと同じような心理が働いているのではないか。「ね元気ぞすか」「まあまあごす」は何となく鹿児島弁のような感じだし*1、漫才などの「お笑い」で、相方の方言を互いにけなしあうとか、上方の漫才師が東京のすました物言いを揶揄するというのは、古典的なネタのパターンだ。
北京語ではこうした遊びはできないかなと思ったが、いやいやそうでもない。可樂王の《拝金小姐大戰惡魔黨》(id:QianChong:20040403#p4)に、許唇美という嫉妬深い大金持ちのお嬢様が出てくるが、彼女の口調はこんな感じだ。

偶素蒐,她棉來這裡皺什麼?*2
偶當然朱道她素誰呀,口素如狗以為偶會為漏這個小孩給泥錢,那泥就太笨漏。*3

この許唇美、じつはその豪華な生活ぶりがワイドショーなどで取り上げられ有名になった許純美という人物のパロディ。“純(chun2)”と同じ発音の“唇(chun2)”にしてあるわけだ。同様に彼女のセリフもあちこちの漢字がよく似た発音の別の文字に置き換わっている。“我(wo3)”が“偶(ou3)”に、“是(shi4)”が“素(su4)”にといった具合。全体にとても奇妙で笑いを誘い、しかも自ら「上流社会」を売り物にするこのキャラクターの胡散臭さやダサさまでが表現されている。

*1:鹿児島の方、ご勘弁を。

*2:だから、あの子たちがここで何してるのかって聞いてるのよ。→本来は“我是説,她們來這裡做什麼?”。

*3:もちろん誰だかは知ってるわよ。けど、あたしがこの子のためにお金を出すと思っているなら、とんだおバカさんだわね。→本来は“我當然知道她是誰呀,可是如果以為我會為了這個小孩給你錢,那你就太笨了”。