インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

久しぶりの台北。

QianChong2004-06-13

台北に芝居を見に行く。中正記念堂の前にある国家戯劇院で上演される『半生縁』。今日が千秋楽だ。言わずと知れた張愛玲の小説が原作。ヒロインは劉若英(レネ・リウ)が演じる。初演時に見逃したので、今度こそはとかなり前からチケットを押さえていた。
三時間半近くにわたる長い芝居で、途中に休憩が全くない。舞台は袖も奥も一切の緞帳を取り去ったむき出しのままで、中央に巨大な横一面の本棚。全体が回り舞台になっている。映画を強く意識した作りで、オープニングは松竹映画そっくりの富士山がどーんと舞台前面を覆うスクリーンに映し出され、“愛玲映画”の文字。全編を張艾嘉(シルビア・チャン)のナレーションでつないでいく。
実験的な要素も強いので、写実的な「ウェルメイド・プレイ」を期待して来た文学ファンはとまどったのではないだろうか。私はとまどいはしなかったけど、そのかわり深く感動もしなかった。スタイリッシュなんだけど、この程度の「実験」は見飽きているというかなんというか。でもまあ、“國語”のセリフの聞き取りに百パーセントの自信が持てないから、批評する資格は私にはないだろう。
俳優の発音が大陸風だなあと思っていたら、果たしてほとんどが中国国家話劇院*1の俳優さんたちだった。しかも演出ではないが“戯劇指導”として同話劇院の孟京輝氏が関わっているのをパンフレットで知り、なるほどと思う。孟京輝氏の芝居は北京で何度か観たことがある。全員が一列横並びで前に向かって会話する手法や、氏の芝居でよく使われる手拍子風のパフォーマンスなど、彼独特の演出があちこちに見られた。

*1:中国青年芸術劇院と中央実験話劇院が合併してできたのだそうだ。2001年に合併したことを知らなかった。