インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

説日語

きのう『ちびまる子ちゃん』のことを調べていたら、こんなページを見つけた。主題歌のFlashムービーだ。

ずどるポソボコリソ
なんでもかんでま みんな わどりをゐどっていろよ れ鍋のなかからボワッと インチキれじさん登場……

全編この調子。ひー、腹いてぇ。
かつて大陸の日本人留学生たちを爆笑のどつぼ、もとい、るつぼにたたき込んだ名著《説日語》(西北大学出版社)を思い出した。『踊る中国人』(原口純子+中華生活ウォッチャーズ/講談社文庫)などでも紹介されているので、ご存じの方も多いはず。
大陸で出版されたポケットサイズの日本語会話集なのだが、「ね元気ぞすか」「元気ぞす」「まあまあごす」に始まり、「おほようございまよ」「ありがとうでぞいます」「であんをさい*1」「ねをかが空さました」「スープピにしますか」「ミンブーしますから*2」「たろたろ失礼します」などなど、どのページをひらいても、すさまじい誤植のオソパしードごす。こうしてWordで書いていると自動文章校正の波線がつきまくって、ああうるさい。
以前の職場では一時期この本がブームになり、「棚卸しの集計結果は?」「ぴっそりごす!」とか「この本、売り上げが伸びてるよ」「すごいわや〜」といった会話が毎日繰り広げられていた。
ひらがなやカタカナって、外国人とっては特徴がなさすぎて特定しにくいのだろうなあ。われわれがろくに校正もしないアラビア語の会話集をつくったら、かの地の人たちに大爆笑されるのかもしれない*3

*1:これは難しい。「ごめんなさい」ですね。「な」を「を」と間違えるパターンが特徴的。

*2:シャンプーらしい。

*3:すでに《説日語》は何度か改訂され、現在の版ではほとんどの誤植が直っているという。したがって味わいぶかい旧版は、マニアの間でプレミアがついているとかいないとか。また『VOW王国ニッポンの誤植』(宝島編集部編/宝島社)という本で、この《説日語》が紹介されているという情報も(未確認)。