インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

4313750401.jpg『ジョン万次郎』(童門冬二/学陽書房人物文庫/1997年)を讀む。漂流の末捕鯨船に助けられ、アメリカで成長したあと日本に戻り、再び咸臨丸でアメリカに向かうまでを描いた傳記。主に通譯者としてのジョン萬次郎に興味があって讀んでみたのだが、全くの空振り。こんなに大空振りしたのも久しぶりで、自分の立ち讀み能力に不安を感じて落ちこむ。
冒頭からやけに淺薄な描寫に疑問符が浮かぶ。英語の發言がみんな「日本ニカエシテアゲタイガ、キミノ国ハヤバンダ(日本に歸してあげたいが、君の國は野蠻だ)」といった調子でカタカナにしてあるのもかなり古い感覺だし*1、「食料」や「欲望」といった言葉にまでルビが振ってあるのでおかしいなあと思っていたら、「あとがき」のうしろに初版が学習研究社の「ジュニア版名作ライブラリー」だと書いてある。こういう情報は本のカバーに書いておくべきだ。また卷末に長々と「對談解説」なる座談會記録が載っているが、これがまた冗長にして中身がまったくない。編集者のセンスを疑う。

*1:初版は1984年だそうなので、無理もないかもしれない。