インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

後見之明。

通訳者の蔣希敏氏が書いた本《譯口同聲》から。彼女の友人のある通訳者は、仕事の後いつも「あの訳出はくどすぎた」とか「あそこにもう二言三言足せば完璧だったのに」などと後悔しては落ち込んでいるのだという。筆者は、そういう“後見之明”で完璧主義を目指すのはカラダに悪い、“不要為上一次的不完美而苦惱,而要為下一次更臻完美而努力(済んだ訳出のアラを探して悔やむより、次の訳出で意を尽くせるよう努力すれば?)”と励ます。
“後見之明”はもちろん“先見之明”のアレンジ。蔣氏によれば英語では“hindsight”と言うそうだが、日本語だと「後知恵」か。“事後諸葛(id:QianChong:20040419#p2)”と同様に皮肉めかして、あるいはユーモラスに自分を卑下した言い方でも使えるかもしれない。