インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

takashima.jpg 『本と中国と日本人と』(高島俊男/ちくま文庫/2004年)を読む。週刊文春の名物コラム『お言葉ですが…』の著者によるブックガイド。かつて東方書店の広報誌『東方』に連載されていたコラムを取捨選択してまとめたものだそうだ。
私は高島氏をその著書『本が好き、悪口いうのはもっと好き*1』(文春文庫/1998年)で知って感動し、それからいろいろと買っては読んできたが、いつもその文章のうまさに驚嘆させられる。読みやすく、曖昧なところがなく(これは著者の博識に負う)、そしていつも笑える文章。難解さや衒学臭はみじんも感じさせない。私もこういう文章が書けるようになりたい。敬体と常体が無理なく混在した日本語の存在、その何とも言えない軽妙さを教えてくれたのも高島氏の本だ。
この本は中国関係だけに的を絞ったブックガイドだが、たったひとつのジャンルなのにこの縦横無尽さ、幅と奥行きの厚みはどうだ。読んでいくうち、本の隅がたちまち“dog-ear *2”で膨れ上がる。これも高島氏の本の特徴。

*1:何という魅力的なタイトル!

*2:ところで“dog year”という言葉を初めて知った。コンピュータや情報通信、なかんずくインターネット業界の変化のはやさを犬の成長速度になぞらえた表現なんだそうだ。