インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

やや!グラマン来襲だな!

現場の事務所には何名かローカルの台湾人職員がいて、その中に古希をずっと以前に迎えながらなおかくしゃくとした陳さんがいる。我々は敬愛をこめて 陳“歐吉桑*1”と呼んでいる。おじさんは中学生まで日本統治下の教育を受けたので、日本語がとても流暢だ。しかも今ではめったに聞けなくなった昔の美しい言い回しをよく使う。
一方で剛毅な性格のおじさんは、ときどきダイナミックな言い回しもする。この間、事務所にでっかいハエが飛び込んできたときなど「やや! グラマン来襲だな!」。
ぐ、ぐらまんって……。今の若い人はきっと知らないよ、その言葉。私くらいの世代がかろうじて(しかも書物などで)知っているくらいじゃないのかな。さすがは戦中戦後を生き抜いてきたおじさんならではのセリフだ。
……などと書いていたら、id:tinuyamaさんが同様の漢字表記による日本語の話題を紹介されていた(id:tinuyama:20040418)。これがいわゆる「西手新九郎」かと驚く。

*1:ou1ji2sang1と発音し、「おじさん」の意味。ほかに“歐巴桑(おばさん)”や映画の題名にもなった“多桑(とうさん)”、あまり使われないけれど“昵桑(にいさん)”、さらには“[上/ト]哇伊(かわいい)”“莎[ロ約][ロ那][ロ拉](さよなら)”“紅豆(ほんとう?)”など、様々な日本語由来の言葉がある。ちなみに“夜露死苦”はありません、念のため。