インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

只知來龍,不知去脈。

今朝の《聯合報》から。李登輝前総統*1の政権担当当時、国家安全局が三十六億元(約百三十億円)にのぼる機密費を使って対外工作や諜報活動を行っていた*2、という一大スキャンダルにからむ証人喚問での発言。
“來龍去脈”は全体の姿がはっきり見えているさまで、「ことの次第」とか「因果関係」とか、単に「経緯」といった意味でも日常的によく使われる成語。もとは風水の言葉らしい。これを二つに切って「それまでの経緯は知っているが、その後の経緯は知らない」などと煙に巻いているわけ。ことは重大だが、そこはしたたかな李登輝氏、なかなかユーモアのある表現だ。

*1:台湾のトップを日本語で「総統」と呼ぶのはどうしてなのかな。北京語で“総統”はふつう「大統領」と訳される。“美國総統布什”はアメリカの「ブッシュ大統領」、“法國総統希拉克”はフランスの「シラク大統領」だ。けれど「陳水扁大統領」とは言わない。

*2:南アフリカが台湾と国交を断絶する際に台湾がこの資金を使って国交維持を延長してもらったとか、日本の政治家(元総理大臣を含む)や官僚にも買収工作をしていたとか、すごい内容。日本のマスコミがほとんど報じないのが不思議なくらい。