インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

Adobe Premiere Proで文字起こしができちゃった

仕事柄、通訳教材を作るときや自身の語学の勉強のためにも、よく外語の動画や音声の「文字起こし」を行っています。いわゆる「ディクテーション(中国語:聽寫)」というやつです。その昔は「テープ起こし」などと称していて、文字通りカセットテープに録音…

オンライン授業って何だったんだろう

一昨日の夜から昨日の朝にかけて、東京ではめずらしく積雪がありました。勤務している学校では交通の混乱などを予想して、昨日の授業はすべてオンライン授業に切り替えることを決定。私は火曜日に5コマも授業があるので、急遽Zoomでの出講となりましたが………

音声認識の進化と人間の役割

人工知能(AI)の技術が進化するなかで、機械翻訳の精度も向上しつつあります。そうした文字ベースの言語変換は実用に耐えうるようになってきた一方で、音声ベースの変換はまだまだ難しいという認識がありました。特に生身の人間は必ずしも明瞭な発話をする…

AIを使って英語や中国語の会話を練習する

ChatGPTは文字でやり取りするほかに音声でもやり取りできる……ということで、ChatGPTと会話の練習をしてみようと思いました。やりかたはネットや既刊本にさまざまな方法が書かれています。まずはパソコンのChromeに拡張機能の“Voice control for ChatGPT”を入…

AIの進化と人間の役割

先日AIを使った語学学習や翻訳について考えていた際、このブログに「自分はこうしたサービスを使う際に必要となるそうした知識や教養を育むことにこれからも専念すればよく、一方でこうしたサービスの便利なところはどんどん活用させてもらうというスタンス…

翻訳AIの進化と言語学習の意義について考える

Google翻訳やDeepLなどの機械翻訳、またChatGPTなどの生成AIによる翻訳が実用に供され、その能力がどんどん上がっていると喧伝されているなか、もう翻訳を学ぶ意味はなくなってきたのではないか、さらには外語学習自体が陳腐化していくのではないか……そんな…

オンライン中国語会話

オンライン英会話を1年続けてほぼ習慣化できたようなので、今度はオンライン中国語会話もやってみようと思いました。私はおおよそ30年前から中国語を学び始め、20年くらい前からは仕事で中国語を使ってきました。が、あろうことかあるまいことか、いまだに…

失敗の科学

先日の新聞に気になる記事が載っていました。1月2日に羽田空港で起きた飛行機の衝突事故に関して「調査による原因究明と捜査による責任追及が並行して進」んでいることに疑問を呈した記事です。大きな事故が起こると、日本ではその原因究明が行われる一方…

40歳がくる!

先日、仕事帰りに本屋さんへ立ち寄って新刊本をあれこれ立ち読みしていたら、真っ赤な表紙の目立つ本が平積みされているのに気づきました。書名は『40歳がくる!』で、アラフォーを迎える方のエッセイかな、自分も40歳を迎えたころは「不惑」と言いつつあれ…

台湾の選挙における“Frozen Garlic!”

きょう1月13日は台湾の大統領(総統)選挙と立法委員選挙の投票日です。台湾の選挙は在外投票や期日前投票ができないそうで、この時期は海外に住む台湾人が大挙帰省して、それぞれの地元で投票をすることになります。私が勤めている学校にも台湾人留学生が…

子どもが「タブルリミテッド」になる心配はない?

偶然立ち寄った書店でこの本を見つけました。ビオリカ・マリアン氏の『言語の力』です。副題には「『思考・価値観・感情』なぜ新しい言語を持つと世界が変わるのか?」とあります。これはおもしろそう! そして実際、とてもおもしろく刺激的な一冊でした。こ…

ネットの口コミはあてにならない?

オンライン英会話のCambly、初めてレッスンを受けたのが昨年の1月4日でしたから、ようやく1年が経過しました。週に3回、それぞれ30分の受講なので、すべての受講時間を合計してもたいしたことはありません。それでも、まったく得意ではない英語をマンツ…

十二世紀ルネサンス

伊東俊太郎氏の『十二世紀ルネサンス』を読みました。この書名を見て、疑問を覚える方もいるかもしれません。ルネサンスといえば14世紀から16世紀の文化運動じゃないの、ギリシアやローマの文化を復興しようということで、ダ・ヴィンチとかミケランジェロと…

米原万里氏のことば

年末、北九州市の実家に帰省して、年末のうちに東京へ戻ってきました。せっかく帰省したんだから家族や親戚とゆっくり年越しすればいいのにと友人には言われます。でも、高齢の親にとっては逆に負担になりますし、私も年末年始のラッシュに巻き込まれるのは…

大谷選手のグローブとマンゴー崇拝

アメリカ・メジャーリーグの大谷翔平選手が日本国内すべての小学校に3個ずつ、合計約6万個のグローブを寄贈というニュース。発表からひと月あまりを経て、各地に届き始めたというニュースが再びマスメディアを賑わせていました。www3.nhk.or.jp www.oricon…

ネイティブにはなれない

ことしのお正月にオンライン英会話をはじめて、もうすぐ1年になります。1年と言ったって、基本的に30分のレッスンを週3回ですから、学習時間としてはたいしたことはありません。オンライン英会話以外にスマートフォンのアプリで学んだり、問題集に取り組…

ミルクフランス

「ミルクフランス」というパンがあります。ごくごく細くて小さいフランスパンに縦に切れ目を入れて、ミルク味のクリームが絞ってあるあの菓子パン、私は大好きです。ネットで検索したところによると、1981年にタカキベーカリーの広島工場で発案されたものな…

「テキトー」に海へ行く

通勤ラッシュ時に、大勢の通勤客が向かう都心方向ではなく、逆方向の空いた電車に乗ってどこかへ行ってみたい衝動に駆られることがあります。そのむかし東京で、今から思えばかなり「ブラック」な出版社に勤めていたころたまたま読んだ『宮本から君へ』とい…

AIで人はバカになる?

ChatGPTが世に公開される前の時代ですが、「コンピュータを使うと人は衰える」という記事を読んだことがあります。project.nikkeibp.co.jpいや、たしかに、パソコンやスマートフォンを使い始めてからというもの、漢字の「ど忘れ」や家族の電話番号さえ知らな…

語学はユンケル程度に効く?

昨日の朝、通勤電車でDuolingoをやっていたら、こう聞かれました。“Are you trying to exercise at least three times a week?(少なくとも週に三回運動するようにしていますか)”。たんなる偶然でしょうけど、Duolingoは時々こういう「どうして自分のことを…

セサミストリートのハーモニカ

留学生の通訳クラスで日本の「部活動」の話題が出て、ひとしきり話が盛り上がりました。中国語圏の国々では学校によってクラブやサークルみたいなのはあるけれども、日本の「ブカツ(部活動)」とはちょっと違うんじゃないか、いや同じだ、自分はいわゆる「…

あとどれくらい生きられるか

職場がある建物の前の広場に臨時の献血所が開設されていたので、ほんとうに久方ぶりですがご協力申し上げることにしました。私の歳では献血はできないんじゃないかと勝手に思い込んでいたのですが、基本的には69歳まで可能なんだそうです。www.jrc.or.jp受付…

ウェス・アンダーソンすぎるシンクロニシティ

今日の土曜日は仕事がなかったので、朝からジムのパーソナルトレーニングに出かけました。トレーニングが終わって、すぐに帰ろうと思ったのですが、あまりにいい陽気なので青山墓地を通り抜けながら青山一丁目駅まで散歩して帰ることにしました。途中、雲ひ…

まだFAXを使っていると言って驚かれる

オンライン英会話のレッスンで新しい教材を使い始めました。最近はずっとニュース記事を使って、最初に全体を音読して発音をチェックしてもらい、そのあと記事についてのディスカッションを行うというパターンで学んでいます。昨日から使い始めたのはengooの…

体育がきらい

語学と演劇 私が奉職している語学学校では、通訳訓練に演劇を取り入れています。年に一度だけですが、秋の文化祭に向けて二ヶ月間ほど「語劇」の練習を行い、一般のお客様も含めた多くの観客に見てもらうというものです。「語劇(ごげき)」というのは聞き慣…

F.O.B COOP

東京メトロ日比谷線の広尾駅から西麻布交差点の方へ向かって少し行ったあたりに、かつて「F.O.B COOP(フォブコープ)」というお店がありました。1981年に創業されたお店で、輸入雑貨を販売し、カフェが併設されていて、いまではよくあるタイプの雑貨屋さん…

一元屋さんが閉店するって

昨日は麹町近辺でお仕事をして、帰りに東京メトロ半蔵門駅の真上にある一元屋さんへ寄りました。ここは小さな和菓子屋さんで、とくに甘さ控えめで小豆の味が濃厚な「きんつば」がとってもおいしいのです。qianchong.hatenablog.com進物ではなく自分で食べる…

ラプアンカンクリのストール

フィンランド南西部、セイナヨキ(Seinäjoki*1)の北にラプア(Lapua)という小さな街があります。この街に拠点を置くテキスタイルブランド「ラプアンカンクリ(Lapuankankurit:ラプアの紡ぎ手たち)」は、シンプルかつデザイン性の高い製品で知られていま…

イスラエル 人類史上最もやっかいな問題

パレスチナのガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスがミサイル攻撃を行い、その報復としてイスラエル軍がガザ地区への軍事作戦を開始したのが10月7日。あれからちょうど1ヶ月、悲惨な戦争の報道に接し続けてほんとうに胸ふたぐ思いの日々が続いています…

根津美術館の監視員

ここのところ仕事があまりに忙しくて精神が煮詰まってしまいそうだったので、やっと休みになった今日は根津美術館に北宋の書画を見に行ってきました。根津美術館は事前にネットで入場時間を予約する形になっていて、朝一番の時間帯で入場したので、それほど…