インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

解らない人には解りはしません

白洲正子氏の『お能・老木の花』を読みました。能を紹介する本は色々と読みましたが、ここまで繊細で、かつ一種の気魄というか情念のようなものを帯びつつ迫ってくる文章は初めてでした。間に挟まれた芸談『梅若実聞書』も実に読み応えがありました。『梅若…

なぜ稽古をするのか

夏の研修会に参加して来ました。内輪で行う発表会みたいなものです。私が舞ったのは「猩々」の舞囃子。その他に仕舞と舞囃子の地謡をいくつか仰せつかりました。「羽衣」「三輪」「竹生島」「半蔀」「飛鳥川」。謡はiPodの再生回数がそれぞれ100を超えるほど…

「エロ」くて「オヤジギャグ」な古典

夏の「研修会」でいくつか仕舞の地謡を仰せつかったので、謡をせっせと覚えています。iPodに入れた謡をエンドレスで聞きながら詞章や拍子や節を身体に覚え込ませるんですけど、基本は学生時代に最も苦手としていた「古文」の世界ですから、なかなか身体に入…

能と「互動」

先週末の能楽堂でのお稽古会(発表会)も終わり、暮らしも仕事も通常モードに戻りました。今回は連吟で「敦盛」「紅葉狩」「枕慈童」を謡い、初の舞囃子で「賀茂」を舞いました。終わってみれば「まだまだ」とため息ばかりの結果ですが、まあ何とか間違えず…

拍手とブラボーについて

夏の稽古会は無事に……でもないけど、なんとか終わりました。私は「賀茂」の仕舞と、「野守」「紅葉狩」の連吟と、先輩方の仕舞の地謡をいくつかつとめさせていただきました。打ち上げの宴会で大先生(おおせんせい)が「最後に向かってどんどん盛り上がって…

能とバッハとロックンロール

朝、細君を駅へ送った帰りに、車の中でInterFMの“Barakan Morning”を聴いていたら、珍しくバッハがかかっていました。番組のウェブサイトによると、"BWV 1067, MENUET ー BADINERIE" AURèLE NICOLET & KARL RICHTER & MUNICH BACH ORCHESTRA です。ネットで…

お稽古、その後。

征夷大将軍ですよ 昨年から能の稽古を初めて一年ほど。月に二回だけの稽古ですが、とても楽しいです。今のところ唯一と言ってもいい趣味。料理? あ、あれはすでに「主夫」と化している私にとっては日常のルーチンワークですから。私の仕事が中国関係と知っ…

猩々と酒の妖精とオランウータン

能のお稽古に入門して、仕舞は最初に『湯谷(熊野)』、次に『紅葉狩』、続く『船弁慶』でもって無謀にも初舞台となりました。で、中国語関係の仕事をしていると知った師匠が「ではしばらくは中国シリーズで参りましょう」と選んでくださったのが『猩々(し…

電子書籍版・夢野久作『能とは何か』

KindleのPaperWhiteが欲しいな〜と思っていたんですが、よく考えたらiPod、iPhone、iPadに加えてさらにポータブルデバイスを持ち歩くのも何だし、できるだけシンプルにひとつだけ持ち歩くとしたらやっぱりiPhoneだし、幸い視力はまだよくて老眼にもなってい…

「型」を身につける

シノドス・ジャーナルに興味深い記事が載っていました。『思考の「型」を身につけよう 人生の最適解を導くヒント』という本の序文を転載したものだそうですが、学校(特に高等学校以降の教育)で何を教えるかについて、以下のように書かれています。 私は経…

喜多流職分会十二月自主公演能

能「女郎花」、狂言「仏師」、能「葛城」、仕舞「邯鄲」、能「猩々」という盛りだくさんの内容。場内ぎっしりでした。どれも素晴らしかったけど、やっぱり今練習している「猩々」が一番興味深かったです。 ワキのセリフ「これは唐土かね金山の麓/揚子の里に…

ユネスコによる「無形文化遺産能楽」

午前中の授業が終わったあと、急ぎ国立能楽堂に駆けつけました。場内には空席も目立ちましたが、いやあ、素晴らしい舞台でした。 能「恋重荷」(金春流)は、「こいのおもに」という題名とはうらはらにとても静かな能でした。シテの怨霊みたいな面がものすご…

能の稽古

今年の夏頃からご縁があって、能の稽古を始めました。もちろん、趣味ですけど。 能に興味を持ったきっかけは二年ほど前、通訳スクールの実践授業で女性能楽師の先生を講師にお呼びして、逐次+同時の通訳訓練兼講演会を行ったこと。彼女はうちの細君の知人な…