インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

台湾旅行記

しまじまの旅 たびたびの旅 64 ……南部の空気感が心地よい恆春

台東から電車とバスを乗り継いで、台湾最南端の古い街、恆春にやってきました。にぎやかな街で、殊にこの、ごった煮のような庶民的な空気が魅力的です。 恆春には昔の街を囲っていた城壁や門の一部が今も残っています。公園のように整備されている所もありま…

しまじまの旅 たびたびの旅 63 ……トビウオ推しの蘭嶼

綠島は「マグロ推し」でしたが、蘭嶼は「トビウオ推し」のようです。島のあちこちでトビウオを使った料理が看板やメニューに書かれていました。そこで、海辺の「海の家」風な食堂で浜風に吹かれながら食べたのがこれ、「飛魚特餐」。セットランチですね。200…

しまじまの旅 たびたびの旅 62 ……タオ族の信仰と主食

蘭嶼の集落では、十字架があちこちで目につきました。キリスト教の教会も数多く見かけました。蘭嶼の先住民族はタオ族(ヤミ族)ですが、この民族は独自のアニミズムを持っているものの、第二次世界大戦後にキリスト教が普及したそうです(参照:タオ族 - Wi…

しまじまの旅 たびたびの旅 61 ……花の香りと核のゴミ

蘭嶼を一周する道路をバイクで走っていると、鬱蒼とした緑から発散されているであろう草いきれの匂いと、花の香りを強く感じます。さすが「蘭嶼(ランの島)」ならでは。花の香りはランのようでもあるけれど、道端でたくさん見かける馬蹄花(たぶん)やハイ…

しまじまの旅 たびたびの旅 60 ……漁港の九層塔パスタと蘭嶼の虹

若者でごった返す綠島を後にして、今度は蘭嶼に向かいます。ダイレクトに綠島→蘭嶼の船を使いたかったのですが、便数が少ないとのことでいったん台東に戻ることにしました。飛行機も一応あたってみましたが、こちらも小さな飛行機で発売後すぐに満席になって…

しまじまの旅 たびたびの旅 59 ……海水の温泉と「鮪推し」

台湾に限らず、離島へ行ったら必ず灯台を探します。かつて遠洋航路の船乗りか灯台守になるのが夢だったからです。灯台の周辺はたいがい立入禁止になっていることが多いのですが、遠くから眺めているだけでもその佇まいに何かこう、胸が高鳴るのを感じます。…

しまじまの旅 たびたびの旅 58 ……綠島の若者文化と監獄文化

綠島は、観光用の島内一周バスを除くと、バスやタクシーの類が一切ないので、バイク(スクーター)が必須です。私も電動スクーターを借りました。電動は馬祖でも乗ったことがありますが、電池の交換が頻繁で不便なので普通のガソリンで動くバイクを借りたか…

しまじまの旅 たびたびの旅 57 ……富岡漁港の魚市場と緑島フェリー

台東の沖にある綠島に渡るため、フェリーが発着する富岡漁港にやってきました。切符売り場は綠島や蘭嶼で休日を過ごす人たちでごった返していますが、民宿経由でフェリーのチケットを予約しておいたのですぐに発券してもらうことができました。乗船口に向か…

しまじまの旅 たびたびの旅 56 ……台東の米苔目と炸雞

国内線の小さなプロペラ機で台東にやってきました。台東は過去に何度か“走馬看花”的に通り過ぎたことがあるだけで、ほとんど何も知りません。タクシーの運転手さんに「台東のB級グルメで『まずは食べとけ』ってのは何ですか」と聞いたら、「そうね、米苔目か…

しまじまの旅 たびたびの旅 53 ……鹹豆漿と蚵仔煎

南の島でののんびりした旅を終えて、また台北に戻ってきました。あとは東京へ戻るまでの数日間、台湾ならではのB級グルメを食べ歩くことにします。といっても定番ばかりなんですけど、定番中の定番がやっぱり一番ほっとできて美味しいんですよね。泊まったホ…

しまじまの旅 たびたびの旅 52 ……ふたつの日本軍上陸記念碑

バイクで澎湖島の何の変哲もない県道をながしていたら、このような看板が。日清戦争(甲午戦争)の際に、日本軍が上陸した地点に立てられている記念碑です。住宅街のはずれの、静かで寂しい場所に立っていました。詳しい説明書きもあります。日清戦争後の、…

しまじまの旅 たびたびの旅 51 ……石敢當

澎湖諸島をバイクでくまなく走っていると、時々見かけるこの石造りの円錐。様々な魔除けのために立てられている「石敢當」というものだそうです。この写真の「石敢當」はかなり大きくて二〜三階建ての家ほどもありますが、もっと小規模のものもいくつか見か…

しまじまの旅 たびたびの旅 50 ……シュノーケリングと岩礁ツアー

澎湖の滞在中、いろいろと観光のアドバイスをしてくださった宿のマネージャー氏から「浮潛(シュノーケリング)に行かない?」と誘われました。海で泳ぐのは大好きですが、シュノーケリングは未体験です。二つ返事で申し込みました。港に着いてカウンターで…

しまじまの旅 たびたびの旅 49 ……夜市と朝市

街中をあちこちバイクで見て回っていたら、すっかり日が暮れてしまいました。宿へ戻る途中、なぜか急に“鹽酥雞”が食べたくなって、スマホで検索してみると、帰り道によさそうな屋台があることを発見。さっそく向かいました。“鹽酥雞”はこんな感じの食べ物。…

しまじまの旅 たびたびの旅 47 ……ガジュマルとサボテンアイス

西嶼の島をぐるっと一周して、また澎湖跨海大橋まで戻ってきました。朝よりは観光客が増えているもよう。みなさん車が途切れるのを狙って、橋の中央でバンザイして写真を撮りたがるのね。チャイニーズの方々の、記念写真におけるポーズや構図へのこだわりは…

しまじまの旅 たびたびの旅 46 ……西嶼西臺

漁翁島灯塔にほど近い西嶼の最南端にある「西嶼西臺」は清朝の時代に作られた要塞の遺構です。上から見ると歪んだ正方形のような構えになっていて、中にはトーチカや兵営だったと思しき部屋がいくつも連なっています。 要塞の先端には巨大な四門のアームスト…

しまじまの旅 たびたびの旅 45 ……柱状節理と東坡肉

バイクで、澎湖は西嶼の最南端を目指します。澎湖諸島全体は古代のカルデラのあとだと聞いたことがありますが、外輪山にあたる(はず)の円弧状の島には高い山がまったくなく、全体的にかなり平べったい土地です。そのぶん空が広く感じられますね。澎湖の海…

しまじまの旅 たびたびの旅 43 ……人影のない風景とウニの含有率に癒やされる

二度目の澎湖旅行ではバイクを借りました。馬公空港近くのレンタルバイク屋さんが空港まで車で迎えに来てくれて、とても便利です。連絡している間にどこでどう間違ったのか「ドイツ人観光客」だと思われていて、なかなかレンタルバイク屋さんと落ち合えなか…

しまじまの旅 たびたびの旅 42 ……澎湖の「石滬」

台北の松山空港から澎湖の馬公空港まで、かわいいイラストのプロペラ機で飛びました。近くの席に日本人の親子四人家族が座っていましたが、ここんちの子供がとても行儀が悪く、騒いだり椅子の背を蹴ったり物を投げたりやりたい放題。それでも若いご夫婦は旅…

しまじまの旅 たびたびの旅 41 ……阿給と雪花冰

馬祖列島にお別れして、今度は澎湖諸島へ飛びます。とはいえ直行便はないので、いったん台北へ戻ってきました。眼下に基隆の街が見えます。馬祖から一直線に台湾本島へ近づいたプロペラ機は、基隆の上を通り越した先で大きく迂回し、松山空港へ着陸するよう…

しまじまの旅 たびたびの旅 40 ……五行思想のかき氷

小さな北竿の島を、バイクで隅々まで走り回りました。かつては(今もですが)軍事上の要衝だったので、島のあちこちにその名残があります。 茂みの奥に、廃墟のようになった軍事拠点が隠れていたり。ちょっと「秘密基地ごっこ」を思い出しますが、もちろん当…

しまじまの旅 たびたびの旅 39 ……芹壁村のスローガン

芹壁村はあちこちにスローガンがありました。中国大陸に肉薄している場所としての、かつての緊張感が静かに伝わって来るような気がします。“發揚媽祖精神”。馬祖精神を発揮しよう。“軍民合作”。軍と民間は力を合わせよう。“光𣸪(光復)大陸”。大陸を解放し…

しまじまの旅 たびたびの旅 38 ……芹壁村

北竿で滞在したお宿は、芹壁村の民宿です。この芹壁村は、馬祖列島の伝統的な「閩東」様式の集落建築が比較的よく保存されているところで、現在は民宿やカフェやレストランなどに活用されています。民宿のひとつ「芹壁村25號」のウェブサイトから直接予約を…

しまじまの旅 たびたびの旅 37 ……フェリーとバイク

南竿の福澳港から北竿の白沙港までフェリーに乗りました。乗客は観光客、それも中国からのツアー客がほとんどのようです。 島の急峻な坂道を頑張って走ってくれた電動バイクともここでお別れです。最初に借りた空港まで返しに行かなきゃならないのかな、そう…

しまじまの旅 たびたびの旅 36 ……鼎邊糊と蠣餅

馬祖列島の南竿は小さな島ですが、それでも列島の中ではいちばん「栄えて」います。政府機関や公共施設や商店などが集中しているエリアは空港にもほど近い介壽路のあたり。地図だと平坦な感じがしますが、実はかなりの急坂を上り下りした先にあって、非力な…

しまじまの旅 たびたびの旅 35 ……北海坑道と大漢據點

馬祖列島は台湾と中国が対峙する最前線にあるので、かつてはかなりの軍事施設が建設され、運用されていました。そのうちのいくつかは現在では使われなくなっており、観光地として一般に公開されています。 北海坑道 小型の軍事用船舶を停泊させておく軍事拠…

しまじまの旅 たびたびの旅 34 ……馬祖列島へ

台北の松山空港からプロペラ機で50分ほど、馬祖列島の南竿です。台湾の本島からは200kmほど離れていますが、中国大陸は目と鼻の先。台湾が実効統治しているので、かつては軍事的に非常に緊張した場所でした(いまでもある意味そうですが)が、現在は中国から…

しまじまの旅 たびたびの旅 23 ……スイーツざんまい

十数年来の友人である「tess chang」さん(@smallstudent)と台北市内の喫茶店で再開して、ケーキを食べました。ずっと「小吃」系の食べ物ばかりだったので、かえって新鮮です。 そのあと散歩がてらMRT中山駅周辺の路地をうろうろ。この辺りは何となく「裏原…

しまじまの旅 たびたびの旅 22 ……牯嶺街

海外旅行はとにかくフツーの街歩きが楽しいです。まあこれは私が、人の多いところはほんとうに苦手で「人酔い」するからというのもあるんですが、有名な観光地は、往々にして事前に調べて何度も写真で見た光景を確認するだけに終わることが多くて、つまらな…

しまじまの旅 たびたびの旅 21 ……龍山寺と胡椒餅

春からの仕事にちょっとした不安を抱えていたので、吉凶を占うために龍山寺へ詣でてきました。今回は本格的に「拝拝」しようと思っていたので、まずはお寺の前でお供え物の花を買いました。50元。月下香と蓮花の取り合わせが美しいですね。お線香は無料で1…