インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

ほん

太平洋戦争 日本語諜報戦

武田珂代子氏の『太平洋戦争 日本語諜報戦』を読みました。本のタイトル、それに副題の「言語官の活躍と試練」からして興味をそそられます。 太平洋戦争 日本語諜報戦 (ちくま新書)アメリカ・イギリス・オーストラリア・カナダそれぞれの国において、各国が…

変わったタイプ

むかしむかし、タイプライターを持っていました。イタリアのオリベッティというメーカーの「Lettera32(レッテラ32)」という緑色の一台です。正確にいうと、かつて仕事で使っていた叔母に借りたものでした。「もう使わなくなっちゃったから」というわけで借…

「運動音痴」にこそ筋トレ

先日、いつも通っているジムでベンチプレスをやっていて、42.5kgを12回×3セット挙げることができました。周りでトレーニングしてらっしゃるアスリートの方々からすれば取るに足らないような重量ですが(そして、そもそも人と競うようなものでもないのですが…

『サピエンス全史』を読んで

壮大な物語でした。遅ればせながら読んだユヴァル・ノア・ハラリ氏の『サピエンス全史』上下巻です。宇宙の物理的現象の誕生から筆を起こして現在まで、さらには未来までをも見据えつつ「ホモサピエンス(人類)」の来し方行く末を論じた大著。生物学的な知…

『東京カレンダー』の妄想物語が興味深い

ここ十年ほど、同じ美容室で髪を切ってもらっています。「いっちょまえ」に美容室(しかも表参道!)に通っているのは、単にいつもお願いしているスタッフさんがすごく上手で、なおかつ何の説明もせずに切ってもらえるからラク、という理由なんですけど、お…

中国人のたくましいところに学ぶ

昨日Twitterで拝見した、こちらのツイート。上海の路地にいる裾上げ専門のミシン屋に、腕が良いから素材とデザイン画渡して価格決めてバッグ作ってもらったり、エアコン清掃に来た業者が仕事丁寧だから個人間で報酬上乗せして換気扇清掃もお願いした。私の思…

繊細でこまやかで美しい中国にひかれた

以前、日本で中国語を教えながら事業もなさっている中国の方とお話しする機会がありました。北京出身のその方は「北京があまりにも急速に変わるので、正直に言って悲しい。私の北京はどこに行ったの? という感じ」とおっしゃっていました。ちょうど吉川幸次…

お店のご主人の「指導」がやるせない

先日、私の誕生日祝いということで、細君と二人で地元のお寿司屋さんに行きました。銀座とか青山とか、そういうところのお寿司屋さんではないので気さくな雰囲気ですが、それでもお値段は我々にとってはなかなかにインパクトがある、まあどちらかと言えば高…

最先端の知見が日本語で読める幸せ

吉川浩満氏の『理不尽な進化』と『人間の解剖はサルの解剖のための鍵である』を続けて読みました。日経ビジネスオンラインの、小田嶋隆氏のコラムで取り上げられていたのに興味を持ってすぐに購入したのですが、どちらも超絶的な面白さ。私などが言うのも僭…

白い犬の会社に一本取られました

私は長年ソフトバンクの携帯電話を使っているのですが、先日ふとMy SoftBankの支払明細を確認したら、私と細君の基本料や通話料・通信量、機種代金(分割支払金)の他に、見覚えのない電話番号で機種代金がスマホ月々1500円程度引き落とされているのに気づき…

東京五輪のボランティアは「人生最高の二週間」か「やりがい搾取」か

『ブラックボランティア』の本間龍氏と『東京オリンピックのボランティアになりたい人が読む本』の西川千春氏が対談という、ある意味奇跡的な(?)イベントに参加してきました。場所は下北沢の「本屋B&B」という、書店とイベントスペースを兼ねたような店舗…

ペリリュー

都内の書店に立ち寄った際、偶然見つけた武田一義氏のマンガ『ペリリュー』を読みました。第5巻まで出版されており、現在も雑誌での連載が進行中の作品です。既に二年前から連載が始まり「日本漫画家協会賞」も受賞して話題になっていたというこの作品、今…

ポルトガルのワイン飲み比べ

ポルトガルのワインと料理を楽しみながら、彼の地の食文化を知るという集いに参加してきました。編集者・ライターで「ポルトガル食堂」を主宰されている馬田草織氏とIDÉE SHOP共催のイベントです。イベリア半島の西側、南北に細長く伸びる国土のポルトガルは…

働かざる者たち

端的に言ってこの習慣をやめたら「バカになっちゃう」ような気がして、いまだに紙の新聞を講読して毎朝隅々まで目を通しています。記事を読むだけならネット版の方が手軽で便利(大判の紙の新聞はスペースを取るので、例えば朝食を食べながら読むとか、混み…

笑顔訓練の必要

国や地域、年齢、性別やジェンダーを問わず、笑顔が魅力的な方に出会うことがあります。そんな方に接すると、こちらの気持ちまでほぐれていくのがよく分かります。「笑顔が魅力的」だなんて当たり前すぎるくらいの陳腐な形容ですが、なかなかどうして、これ…

しまじまの旅 たびたびの旅 81 ……京都の春巻と大阪のカレー

小学生の頃、京都市と大阪市のちょうど中間あたりにある枚方(ひらかた)市に住んでいました。家族で出かけることが大好きだった両親は京都・大阪・奈良の様々な場所に連れて行ってくれたのですが、子供だったせいか、神社仏閣はさておき、あちこちで食べた…

踏みとどまって引き返す

節酒つながりで、小田嶋隆氏の『上を向いてアルコール』を読みました。 上を向いてアルコール 「元アル中」コラムニストの告白小田嶋隆氏については、以前のご著書も何冊か読み、日経ビジネスオンラインでの氏のコラムには毎回膝を打ち、氏が講師を務める文…

しまじまの旅 たびたびの旅 70 ……澎湖北海・憧れの灯台と砂州の島々

台湾の離島・澎湖の、そのまた離島を訪ねるツアー。先日行った「猫の島」虎井嶼に続いて、今度は「北海」と呼ばれる海域の島々を巡るツアーに参加してみました。最北端にある目斗嶼の灯台を目指します。下の地図は、島と島の間隔が縦方向にぎゅっと圧縮され…

しまじまの旅 たびたびの旅 68 ……港園の牛肉麺と爵士冰城の紅豆牛奶冰

高雄に「帰って」きたら、何をさておき、まずは港園の牛肉麺を食べに行かなければなりません。地元で人気の牛肉麺屋さんで、日本で学んでいる高雄出身の台湾留学生も「あそこが一番!」と太鼓判を押すお店です。何度となく食べに行き、そのあっさりした味わ…

「語学では食えない」をめぐって

通訳翻訳業界ではよく知られている『通訳・翻訳ジャーナル』という雑誌があります。記事の内容は圧倒的に英語関係なので私はあまり買わないのですが(ごめんなさい)、たまに中国語や韓国語の特集が登場することもあります。また別冊として『通訳者・翻訳者…

よしながふみ氏の秀逸な作話術と杉田水脈氏の幼稚な妄言について

前巻の発売から約十ヶ月ほど、よしながふみ氏のマンガ『きのう何食べた?』の最新第14巻を読みました。 きのう何食べた?(14)このマンガの秀逸なところを挙げれば切りがないのですが、そのひとつは筧史朗(弁護士)と矢吹賢二(美容師)というゲイのカップ…

義父と暮らせば:番外篇——家を処分する

昨年亡くなったお義父さんが晩年一人で住んでいた家。細君が幼い頃にお義父さんが購入したそうです。でも千葉県は柏市のかなり不便な場所にあり、私たち夫婦にとっては利用する術もなく、かといってそのまま放置しておくわけにもいきません。そこで不動産鑑…

消えていく句読点と新しい文体

スマホやパソコンの既読メールを整理していてふと思ったんですけど、華人の中国語メール、特にショートメールやLINEのトークでは、みなさん句読点などの記号(標點符號)をほとんど使わないんですね。面白いです。私は「ガイジン」だから中国語を書く=作文…

カルト宗教信じてました。

たもさん氏のマンガ『カルト宗教信じてました。』を読みました。「エホバの証人」に翻弄された日々と、カルト宗教から決別するまでのいきさつ、その後の気持ちを描いた「体験系マンガ」。ネットで見つけてすぐにKindleで読みましたが、私も小学生の頃から母…

京劇の「覇王別姫」と能の「項羽」

「覇王別姫(はおうべっき)」といえば、陳凱歌監督の映画「覇王別姫 さらば、わが愛」でも有名な京劇の演目です。楚の項羽と漢の劉邦が戦い、最後は項羽が追い詰められて虞姫(虞美人)と愛馬・騅と別れる……という悲劇。「四面楚歌」という成語の元になった…

動詞がドーシても必要なんです

中国語が母語である華人留学生と「中国語→日本語」の通訳訓練をしていると、いくつか興味深い現象が見られます。そのうちのひとつは、訳出する時に日本語の文章の係り受けがねじれる、特に最後に動詞を入れることを忘れる、という現象です。中国語は、英語ほ…

ちっともビジュアルでない料理本に惹かれる

料理本が好きで、書店に立ち寄るといつもあれこれ眺めてまわっています。実際に購入することは少ないのですが(すみません)、それでもさっき本棚にある料理本を数えてみたらおよそ五十冊ほどありました。これでもずいぶん断捨離して手放したのですが……。料…

しまじまの旅 たびたびの旅 番外篇 ……ヘラヘラ・マガジン

美術を学んでいた学生時代、大きく影響を受けた本があります。岩田健三郎氏の『ヘラヘラ・マガジン』です。どこで買ったのかも覚えていませんが、偶然手にしたその本にはとても衝撃を受けました。なにせこの本、表紙から裏表紙まで、カバーやカバーの袖、見…

サラダチキンを自分でつくる

「筋トレ本」の著者Testosterone氏が最上の蛋白質補給源としてお勧めされていた「サラダチキン」、近所のスーパーで買ってみようと思ったのですが、結構いろいろな添加物が入っているんですね。一点だけ「無添加」というか、「国産鶏むね肉使用、化学調味料…

食べ方を「可視化」したらとても新鮮でした

またまた大変失礼ながら、以前だったら絶対に手に取らないタイプの本でした。タイトル、装幀、イラスト、ぱらぱらっとめくってみたときの内容、特にやたら大きな活字(12ポイントくらいあります)の本文も含めて、ぜ〜んぶ。 筋トレビジネスエリートがやって…