インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

しごと

あと20年しかない

最近「あと20年しかない」とよく思います。自分の人生があと20年しか残っていないという意味です。知人や友人にそう言うと、「年明け早々、ネガティブなことを……」とか「言霊ってこともあるから、よしてよ」などとたしなめられるのですが、いえ、これはネガ…

それは視野の狭い教育観ではないでしょうか

お正月休みに、ネットで検索している途中でこの番組を見つけ、「無料配信中」の惹句に誘われて視聴してみました。「元大阪市市長の橋下徹氏が新党を立ち上げたらどんな政策を提言するのか」という設定でのトーク番組です。abema.tv特に教育に関する部分につ…

やめることを続ける

昨年の一年間、ブログを毎日書くことを続けてきましたが、その一方でやめてしまった、あるいは「やめることを続けてきた」こともいくつかありました。 飲酒 以前は毎日晩酌をして、休肝日などというものに全く縁がなかったのですが、いわゆる「男性版更年期…

ジャーにゃんの非正規雇用観

数日前の東京新聞に、2008年の「年越し派遣村」を回顧した記事が載っていました。www.tokyo-np.co.jp1986年に施行された「労働者派遣法」では、通訳者など13業務がその対象になり、2003年の法改正では原則として最長1年とされていた期間制限が最長3年に緩…

そんなに出世したいですか?

日経ビジネスオンラインで、CMプランナーの岡康道氏とコラムニストの小田嶋隆氏がメインのトーク記事を読みました。「人生の諸問題」というコラムで、長年楽しみに読んできた記事です。今回が一応の最終回とのこと。おお……。business.nikkeibp.co.jp今回の話…

女子会にひとり混じるのが楽しい

忘年会シーズンです。が、ここ数年はほとんど忘年会や新年会のたぐいに参加しなくなりました。私が人付き合いの苦手なあまのじゃくだからじゃなくて、仕事関係で忘年会に呼ばれることがほとんどなくなったのです。これは全くエビデンスのない妄想ですが、語…

「二人になるのを避ける」理由について

先日の東京新聞朝刊に「『#MeToo』に萎縮する男たち」という特報記事が載っていました。いわゆる「ハラミ会(「ハラスメントを未然に防ぐ会」という、男性だけの飲み会)」や「ペンス・ルール(妻以外の女性とは二人きりで食事をしないという、ペンス米副大…

頑迷な老人にならないために

若い頃、頑迷な老人が大嫌いでした。今でも苦手です。むかし取った杵柄をいつまでも後生大事に抱え込んでいて、新しい知識のアップデートを怠っていて、時代と激しくずれている方。しかもそういう方が権力を持っていたりするともう目も当てられません。でも…

語尾上げの殺意

劇作家の永井愛氏に『ら抜きの殺意』という戯曲があります。これは「来れる(来られる)」「食べれる(食べられる)」のような「日本語の乱れ」を題材にした傑作喜劇です。こちらの記事で詳しく解説されています。business.nikkeibp.co.jp私自身は「ら抜き言…

「イデオロギッシュさん」の復調

私、台湾の離島を旅するのが好きでして、これまでにいろいろなところに行ってきました。台湾人の友人や留学生からは「どうしてまた?」と聞かれるんですけど、ひなびた漁村の風情や360度誰もいない景色などがなんとも素敵なんですよね。バイクを借りてゆっく…

イベント参加者の不思議な行動

勤めているいくつかの学校では、受験希望者のための説明会や体験レッスンや公開セミナーのようなイベントによくかり出されます。生まれついての大声と「香具師みたい」と評される話し方がみなさまの印象に残る私の特徴のようで、どこの学校でも「こいつに客…

中国語の感嘆詞や語気助詞に萌える

中国語には「感嘆詞(かんたんし)」(これは諸外語にありますが)や「語気助詞(ごきじょし)」というのがありまして、これは主に文頭や文末に短くついていろいろな意味やニュアンスを表す言葉です。日本語の「あらっ?」とか「おおっ!」とか、「~してく…

無駄な資料作りをやめたい

先日の日本経済新聞に興味深い記事が載っていました。「ロボットと競えますか」などと扇情的なわりにあまり的を射ていない見出しですが、この記事で重要なポイントは、今ある業務が自動化される・できる割合を国別に比較した場合に、主要国の中で最も高い割…

留学生の同時通訳実習

昨日は留学生の通訳クラスで、講演会形式で同時通訳の実習を行いました。うちの学校には同通ブースつきの立派な「国際会議室」なる部屋がありまして、その施設を使っての訓練です。 講演をしてくださる講師を外部から招き、「容赦のない」日本語で通常通りの…

だから私は恐がられる

昨日「なまはげ」や「パーントゥ」のような、人々から恐がられる異形の神々のことを書いたんですけど、かくいう私も昔から人に異様に恐がられます。もともと面相が「強面(こわもて)」で「厳つい(いかつい)」ということもあるのでしょう。歳を取った最近…

「歩留まり」の悪い教育

中国文学者の高島俊男氏が、ご著書で「教育とは歩留まりの悪いもの」とおっしゃっていました。どのご著書だったのか、手持ちの蔵書にあたってみるも、結局見つけられなかったのですが。「歩留まり」だなんて、まるで学生さんたちを生産ラインに並ぶ機械の部…

字幕翻訳ソフトをめぐる「大人の事情」

先日、字幕翻訳ソフト「SST G1」の開発・販売を行っているカンバス社から「不正競争防止法違反に基づく差止請求訴訟(勝訴判決)に関するお知らせ」という、少々「こわもて」な件名のメールが届きました。 https://canvass.co.jp/pdf/info20181129.pdf「SST …

語学は素直がいちばん

語学関係の講師をするいっぽうで、みずからも語学の学習者として教室に通っていると、ほんとうに様々なタイプの生徒さんがいるなあと思います。言語の学び方は人それぞれですから一概には言えないのですが、長い間観察してきたなかで「これでは上達しないの…

この国で働きたいと思ってくださる方々のために

つとめている専門学校では、早くも来年度4月入学生の入学試験が始まっておりまして、私も面接担当などで時々受験生のみなさんとお目にかかることになります。受験されるのは日本語能力検定試験でいえば二級レベル前後のみなさん。日本語での意思疎通は基本…

「にわかファン」になってお仕事へ

昨日は某台湾アイドルさんたちのファンミーティングで通訳のお仕事をしてきました。以前台湾エンタメの字幕翻訳をしていた関係で、時々「ファンミ」の通訳を仰せつかるのですが、なんというのかいつも「私みたいなオジさんが出ていっていいのかしら」的違和…

メンヘラさんに贈る言葉

現在つとめている専門学校では、年に数回「通訳実習」という授業がありまして、東京都内のあちこち(観光名所や官公庁、美術館や博物館など)に行って実際に逐次通訳をしたり、同時通訳ブースのついた国際会議室でセミナーや講演会などの同時通訳をしたりし…

星条旗迎風飄揚

先日、通訳訓練のクラスで使った教材に、数字の単位である“萬億”が出てきました。「億が一万個」ということですから「兆(ちょう)」ですね。こうした単位は訳しまちがえると「致命的」なので特に注意が必要なのですが、中国出身の方々はすんなり訳せた一方…

天野健太郎さんのこと

先日、翻訳家・天野健太郎氏の訃報に接しました。訃報はいつも突然のことですから今回も驚きましたが、今回の驚きはいつも以上でした。それは天野氏がまだ47歳という若さだったこと、そして直接お目にかかったことはないけれど、亡くなる直前まで精力的に翻…

「きちんと椅子を戻さない問題」をめぐって

うちの学校に「CALL(コール)教室」というのがあります。LL教室としての機能のほか、生徒ひとりひとりの机にパソコンが備えてあって、主に通訳訓練に使う教室なんですが、この教室で行う授業の最後に、いつも留学生のみなさんに言っていることがあります。 …

異文化や異民族に対するリテラシー

政府が前のめりになっている外国人労働者受け入れの拡大政策について、作家の室井佑月氏が『週刊朝日』に寄稿されています。dot.asahi.com 差別がいかに恥ずかしいかという教育がなされないまま外国人労働者を呼んでしまうことは、この国の逆広報にならない…

「英会話時代」という狂奔を前にして

見逃していた『クローズアップ現代+』の「どう乗り切る?英会話時代」を、NHKオンデマンドで見ました。www.nhk-ondemand.jp外国人観光客や労働者の急増を見据えて、社会の各層で英会話熱が盛んになっているという話題。メイドカフェや外食チェーン、観光タ…

名刺は単なるツール?

先日Twitterで見かけて、思わず笑ってしまったこちらのツイート。親が「若い社員が名刺の交換方法も知らない」つってて紙の交換に方法もクソもないだろと思ってたら本当に決まり事があるっぽい茶の湯かよ pic.twitter.com/nTxdaXGdhJ— 看護メン (@nursemens4…

通翻訳者をないがしろにすると国益を損なう

これまでにも何度かブログでご紹介したことがありますが、逐次通訳(ちくじつうやく)を「遂次通訳(すいじつうやく?)」と書くエージェントさんからまた一斉メールでお仕事のオファーが来ました。このエージェントさん「X社」はすべての案件を最初から「確…

肩の力の抜けぐあい

長塚京三氏へのインタビュー記事、ほかにもいくつか心に残った部分があるので追記します。www.chunichi.co.jp 台本は、ぱらっと、大体前日にファクスでいただきます。それをそんなにあっためるということはなくてね。現場のスタジオにさらりと行って、ぼつぼ…

引き際と語学講師の待遇について

先日の東京新聞朝刊に、俳優の長塚京三氏へのインタビュー記事が載っていました。www.chunichi.co.jpJR東海のCM「そうだ京都、行こう」のナレーションに25年でひと区切りをつけることについて、「惜しむ言葉をたくさんいただくうちが理想的な引き際」とおっ…