インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

しごと

Et tu, JETRO?

以前、エージェント(通訳者の派遣業者)のウェブサイトにこんな記事を寄稿したことがあります。haken.issjp.com現在、多くのフリーランス通訳者を悩ませていると思われる「仮案件とリリース」についてはこの記事に当たっていただければ幸いですが、エージェ…

日本語教師が外語を学ぶ必要について

人工知能(AI)や情報通信技術(ICT)は日本語教師の仕事をうばうのか。そんな問いをテーマの一つに掲げた日本語教育関係のセミナーに出席してきました。もとより日本語教師ではない私は少々場違いではあったのですが「日本語教育とAI、ICT」というテーマが…

「頭でっかち」は先鋭化する

またまた「SUSONO(すその)」のトークイベントに参加してきました。今回のテーマは「食べる」。作家・ジャーナリストの佐々木俊尚氏と、オイシックスドット大地・代表取締役会長の藤田和芳氏の対談がメインのイベントです。susono.life有機野菜やオーガニッ…

『英子の森』を読んで身悶える

松田青子氏*1の小説『英子の森』を読みました。 英子の森 (河出文庫)文庫版の帯に、翻訳家の鴻巣友季子氏による解説の一部が惹句として載せられています。 おもしろい。そして怖すぎる。さあ、みなさん、手にとってください、読んでください。「グローバル英…

台湾や中国のリノベーション物件

先日参加してきた「SUSONO」のイベント、対談の中で佐々木俊尚氏が「日本の観光地で現在、中国人観光客が騒いでいるのに眉を顰めている人がいるけれど、数十年前の日本人もああだった。にぎやかでゴージャスが好きだった」というようなお話をされていました…

ファッションビジネスにおける「華人率」

先日、とある大学の修士課程研究発表のお知らせに接しました。実はこれ、私が嘱託でお邪魔している学校のものなんですけど、発表者名をながめていて、驚きました。お名前から判断するに、13名いる発表者のうち、日本の方はおひとりだけ。あともうおひとり韓…

一食抜くなど信じられない?

「不定愁訴とその後」でも書いたんですけど、体調が良し悪しが飲食、それも飲食の量と密接に関わっていることが実感できるようになってから、基本的にはお昼ご飯を抜くか、ほんの少し(例えばバナナ一本とか、ソイジョイ一本とか)しか食べないようになりま…

オリンピック・パラリンピックの通訳ボランティアについて

1月10日の日本経済新聞に、2020年東京オリンピック・パラリンピックの通訳ボランティアに関する記事が載っていました。通訳を教える大学が進んで通訳ボランティアを斡旋するという動きに違和感を覚えて以下のツイートをしたところ、いろいろな反応が寄せられ…

電車内での化粧は気になりません

昨日の東京新聞、詩人・伊藤比呂美氏の「人生相談」です。伊藤比呂美氏のこのコラムは毎回楽しみに読んでいますが、昨日もとても考えさせられる内容でした。私もバスや電車の中で、あるいは劇場や映画館などで、自分でも引いてしまうくらいイライラしている…

「タバコがかっこいい」だなんて、いつまでそんなことを言ってるの?

ここ十年ほど、おなじお店で髪を切ってもらっているのですが、若いスタッフさんが選んで目の前に置いてくださる雑誌が興味深いです。たいがい『BRUTUS』と『PEN』と『モノ・マガジン』。ここに、たまに『LEON』が加わります。スタッフさんの目には「そういう…

憧れどもなお近寄りがたき「田舎」

上下篇を続けて読みましたが、なんだか新年から暗澹たる気持ちになる記事でした。www.dailyshincho.jpここに書かれているような「田舎」の閉鎖性*1、私は身をもって体験したことがあるのでよく分かります。というか、私が体験したのはもう30年も前のことなの…

解らない人には解りはしません

白洲正子氏の『お能・老木の花』を読みました。能を紹介する本は色々と読みましたが、ここまで繊細で、かつ一種の気魄というか情念のようなものを帯びつつ迫ってくる文章は初めてでした。間に挟まれた芸談『梅若実聞書』も実に読み応えがありました。『梅若…

字幕翻訳のレートがあまりにも低い件について

足かけ十年ほど、途中休みをはさみながらも台湾エンターテインメント関係の字幕翻訳を続けてきました。ドラマやバラエティ番組、それにファンの方々が視聴するエンタメニュースなどの字幕を作るお仕事です。毎週しめきりに追われるなかなかタフなお仕事でし…

私たちのナイーブな言語観について

台湾の総統(大統領)選挙と立法院(国会)議員選挙が行われ、民進党の蔡英文氏が大統領に当選、立法院でも民進党が議席の過半数を占めるという「完全勝利」で幕を閉じました。一昨年、「反服貿」の「ひまわり学運」が立法院占拠という形に発展した際、日本…

何に旅情を感じるかについて

先日台湾へ出張した際、ホテルで朝食券をもらったんですが遠慮して、近くの「早餐店」に出かけました。このホテルには前にも泊まったことがあって、朝食はバイキング形式で豪華でもあるんですけど、なにかこう「いまひとつ」なんですよね。特に「台灣特色」…

通訳者の「向き不向き」

先日仕事の現場で、十数年ぶりの懐かしい方に再会しました。某企業のインハウス(社内)通訳者として働いていた頃ご一緒したことのある、他の企業のエンジニアさんです。当時を振り返って、こんなことを言われました。 門外漢だけど、ずっと同じ現場で同じ技…

オリジネイターに対する敬意

先週と先々週、通訳スクールの教材にこの映像を使ってみました。魅蓝note2发布会全程视频- YouTube中国のスマホメーカー魅族(メイズ)の新製品「魅藍note2」の発表イベントです。6月2日に開催されたばかりの映像がもうYouTubeに公開されていて、それを早速…

仮案件とリリース

先日、Twitterでこんなことをつぶやきました。とある通訳業務の「仮案件1」がリリースになったその日に、別の「仮案件2」が入っている日時とバッティングする形で「仮案件3」が入り泣く泣く断りましたが、この「仮案件2」だってリリースになるかもしれず…

通訳の道具1・バング&オルフセンのイヤホン

通訳の現場は毎回緊張の連続。しかもそれが、一緒にチームを組んで仕事をする「パートナー」のいる現場であればなおさらです。まだまだ駆け出しの私にとって、現場でご一緒するパートナーはいずれもこの業界の大先輩ばかりだからです。先輩通訳者のパフォー…

ディクテーションのすすめ

先日の通訳スクールでは、台湾の江宜樺行政院長の記者会見映像を訓練に使いました。その晩に統一地方選惨敗の責任をとって辞任されちゃいましたけど。いえ、単なる偶然ですが。でもって今朝の新聞には馬英九大統領(総統)も国民党の主席を辞任というニュー…

母語ではなくても推したり敲いたりできるか

台風が関東地方を直撃した昨日は、朝から都内某所でお仕事でした。私は千葉県の奥地に住んでいて、常磐線が停まってしまったら代替輸送機関を探すのはほぼ不可能な場所なので、万一を考えてお仕事の現場近くに前泊しちゃいました。格安のビジネスホテルです…

国に棄てられた人々

昨日、都内の某大学で、台湾の近現代史に関する簡単なレクチャーを行ってきました。レクチャーといっても私は台湾近現代史の専門家でも何でもないんですけど、仕事などでその地域に関わっている社会人を講師に招いて話させるという連続講座のひとつというこ…

新聞を読みましょう

通訳学校で、春学期の授業が始まりました。半年間の訓練の最初に行うガイダンスで、いつも「一般常識テスト」を行っています。と言ってもたいしたものではなく、日本と中国語圏の時事や教養に関する語彙について、口頭で簡単に説明してもらうだけです。今春…

働き方革命

私はいま「フリーランス」という働き方をしています。去年の三月いっぱいで、それまで勤めていた職場を辞めましたから、ちょうど一年経ったことになります。仕事を辞めた当初は再就職の道も考えてハローワークに通ったり、数多くの転職サイトで求人に応募し…

通訳者は「ひとりだけ門外漢」なのでぜひとも資料をいただきたいです

先々週から今週にかけて、通訳の仕事で少々忙しくしていました。といっても外に出かけるのは間欠泉的にであって、多くの時間を在宅ワークに充てているので、うちのお義父さんなんかは「あいつは全然働かねえな」と思っているかもしれません。 だいたい、通訳…

成長から成熟へ

中国人とお仕事で一緒になると、ときどき“不成熟”というお叱りを頂戴することがあります。いえ、お叱りと言っても本当に怒っているわけではなく、なかば諧謔とユーモアと老婆心を込めて「成熟してないね」とおっしゃってくれるのです。私は昔から実年齢に比…

再び「英語を学ぶ人々のために」

年が明けて、また今年も仕事を頑張ろうという気持ちの時に、よく読み返す文章があります。戦後間もない昭和二十三年二月に書かれた、中野好夫氏の『英語を学ぶ人々のために』です。中野氏は、敗戦後に人々の英語熱が急激に高まったことを「むろん悪いことで…

あれこれ考えずにはじめる

ラジオデイズで小田嶋隆氏の『タコ足ライティング・オリエンテーション「人生とビジネスに効くコラム」』を聴いていたら、「そうそう、そうなんだよね!」と膝を打ったお話がありました。 http://www.radiodays.jp/item_set/show/718 書いている時のほうが頭…

通訳者の社会的地位

昨日は通訳スクールのセミナー&公開講座でした。珍しく男性が二名も参加されていました。普段はゼロか、いてもお一人のみという回が多いです。他の言語は分かりませんが、こと中国語通訳に限って言えば、圧倒的に女性が活躍している業界です。実際に開講し…

義父と同居

フリーランスに舞い戻って四ヶ月。宮仕えを辞めた直後はぽかっと空いた時間の大きさに喜びつつも恐怖を感じて、「こんな暮らしでいいんだろうか」と思うことしきりでした。朝から晩まで「世間様並み」に働いてないと罪悪感を覚えるんですね。いや、私も立派…