インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

しごと

内向型人間のすごい力

スーザン・ケイン氏の『内向型人間のすごい力』を読みました。内向型と外向型という二つの性格の型をめぐって、これまでの研究から明らかにされた科学的知見を元に、企業や教育現場などでの対人関係のあり方を論じた本です。 内向型人間のすごい力 静かな人…

無人島に一枚だけレコードを持って行くとしたら

「無人島に一冊だけ本を持っていくとしたら?」という問いがあります。繰り返し繰り返し熟読玩味するに足る愛読書を持っているかどうか……というのはなかなかに厳しい問いですよね。それまでの読書体験と、この先の人生観を同時に問われているようなものです…

「リベラル」ゆえの偏狭さ?

昨日cakes(ケイクス)で拝見した、渡辺由佳里氏のこちらの記事には色々と考えさせられるところがありました。cakes.mu「こんまり」こと近藤麻理恵氏の「片付け本」は私もずいぶん前に読んでハマったくちで、以来洋服のたたみ方やしまい方はずっと「こんまり…

遺体修復士のことば

今日も今日とて趣味(と実益を兼ねた)のディクテーションをやっていたわけですが。こちら↓は語速もゆっくりだし、そんなに難しい言葉もつかっていないけれど、とても深みのある動画で、通訳クラスの教材に使ってみようかなと思いました。極道から足を洗って…

理屈だけではない何か

食材にこだわって盛り付けにもこだわって、とっても「凝りまくり」なんだけど、あまりおいしくない料理ってありますよね。昨年だったか、『マツコの知らない世界』の「たらこパスタ」がテーマだった回で、最高級たらこをはじめ、最高級パスタ、最高級のり、…

カタカナ用語が好きなんだなあ

今朝がた、2020年東京オリンピック・パラリンピックにおけるボランティアの愛称が決まったという報道に接しました。www.asahi.comオリパラについては、①大会役員やスポンサー企業は大儲けする一方での炎天下のタダ働きなどに応募する方の気が知れない+②国威…

愚直に楽しく語学を続けるために

先日、せっかく習い覚えた外語を忘れないために、ウェブ上の動画などを使って「聽說讀寫(聴く・話す・読む・書く)」を一応ひととおり鍛えられる方法をご紹介しました。qianchong.hatenablog.comあとは愚直にやるだけなんですけど、ディクテーションは少し…

語学と「恥」あるいは「芝居っ気」

日ごろ語学を教えたり、自らも生徒となって語学を学んだりしていてよく思うのは、語学学習の過程というのは一種の「演技」なんだな、ということです。唇や舌や声帯を日本語とは違うやり方でぎこちなく用いながら、そしておそらく日本語を話している時にはあ…

大きな声では伝わらないかもしれない

留学生に課題や練習方法の説明をしたり、教務(事務局)からの連絡事項を伝えたりする際、みなさん「聞いちゃいねえ……」と感じることがよくあります。若くて元気いっぱいだから、いつも教室は「わいわい」していて、なかなか注目してくれないということもあ…

自分ひとりで生きようとすること

先日、NHKの「ニュース9」で「九州大学 ある“研究者”の死を追って」という特集を放送していました。概要はこちらの特設ページで読むことができます。www3.nhk.or.jpこの特集は昨年の暮れに放送されたドキュメンタリー番組「事件の涙」を元にしたもので、多…

学んだ外語を忘れないようにするために

ある留学生からこんな質問を受けました。 センセは中国や台湾で暮らして中国語を学んだあと日本に戻ったそうですけど、その中国語をどうやって忘れないようにしていますか。 おおお、いいご質問です。確かに語学は筋トレのようなもので、外語はいわばその結…

「30歳の段階で貯金ゼロだった」をめぐって

こちらはTwitterのタイムラインで偶然目にした、ちきりん氏のツイートです。あたしは30歳の段階で貯金ゼロだった。その後は貯金しようとか考えなくてもどんどん貯金は増えていった。20代の時に貯金なんかせず、すべてを自己投資に注ぎ込んだおかげ。— ちきり…

茶髪や髭面はだめなの?

今朝の東京新聞に載っていた、ラグビー全国大学選手権に関する記事。明治大学が二十二大会ぶりに優勝を果たした要因には元監督による「競技外での指導」があったという「美談」です。以前の明大ラグビー部合宿所では玄関に履き物が脱ぎ散らかされていたのを…

留学生と原稿用紙

仕事で留学生の作文を添削することがあるのですが、原稿用紙を使って書く際に、拗音や促音をこんな感じで一つのマス目に入れちゃう方がけっこういます。数えているわけではありませんけど、個人的な感覚ではこういうふうに書く方は全体の半分くらい、という…

下定決心,不怕犧牲。

華人留学生の通訳クラスで、教材に「爭取清真的商機」というフレーズが出てきました。「清真」は「イスラム教の」という意味で、「商機」は商機、つまりビジネスチャンスのことですから、いまふうに言えば「ハラールビジネスのチャンス」とでも訳せるでしょ…

オーバースペックな教材作りをやめよう

以前、とある学校の通信講座用動画を見ていたら、講師の先生がMacBookを使って授業をしてらっしゃいました。教室の前方にホワイトボードがあり、左側に先生のMacBook画面をプロジェクターで投影するスクリーンがあります。私も現在いくつかの学校で同じよう…

「先生が授業しながら勉強するなんてひどい」をめぐって

先日、Twitterのタイムラインでこんなツイートを見かけました(Twitterから距離を置こうといいつつ、まだ依存してますね)。昔、ある授業の最終回で「私自身も大変勉強になりました。ありがとうございました」と挨拶をしたら、「先生が授業しながら勉強する…

留学生と小謡

留学生の通訳クラスで「通訳実践トレーニング」という科目がありまして、私が担当しています。「通訳実践」だから現場に出てどんどん通訳をする……のではなく、通訳を実践するために必要なさまざまな基礎的トレーニングを行うという科目です。だからほんとう…

あと20年しかない

最近「あと20年しかない」とよく思います。自分の人生があと20年しか残っていないという意味です。知人や友人にそう言うと、「年明け早々、ネガティブなことを……」とか「言霊ってこともあるから、よしてよ」などとたしなめられるのですが、いえ、これはネガ…

それは視野の狭い教育観ではないでしょうか

お正月休みに、ネットで検索している途中でこの番組を見つけ、「無料配信中」の惹句に誘われて視聴してみました。「元大阪市市長の橋下徹氏が新党を立ち上げたらどんな政策を提言するのか」という設定でのトーク番組です。abema.tv特に教育に関する部分につ…

やめることを続ける

昨年の一年間、ブログを毎日書くことを続けてきましたが、その一方でやめてしまった、あるいは「やめることを続けてきた」こともいくつかありました。 飲酒 以前は毎日晩酌をして、休肝日などというものに全く縁がなかったのですが、いわゆる「男性版更年期…

ジャーにゃんの非正規雇用観

数日前の東京新聞に、2008年の「年越し派遣村」を回顧した記事が載っていました。www.tokyo-np.co.jp1986年に施行された「労働者派遣法」では、通訳者など13業務がその対象になり、2003年の法改正では原則として最長1年とされていた期間制限が最長3年に緩…

そんなに出世したいですか?

日経ビジネスオンラインで、CMプランナーの岡康道氏とコラムニストの小田嶋隆氏がメインのトーク記事を読みました。「人生の諸問題」というコラムで、長年楽しみに読んできた記事です。今回が一応の最終回とのこと。おお……。business.nikkeibp.co.jp今回の話…

女子会にひとり混じるのが楽しい

忘年会シーズンです。が、ここ数年はほとんど忘年会や新年会のたぐいに参加しなくなりました。私が人付き合いの苦手なあまのじゃくだからじゃなくて、仕事関係で忘年会に呼ばれることがほとんどなくなったのです。これは全くエビデンスのない妄想ですが、語…

「二人になるのを避ける」理由について

先日の東京新聞朝刊に「『#MeToo』に萎縮する男たち」という特報記事が載っていました。いわゆる「ハラミ会(「ハラスメントを未然に防ぐ会」という、男性だけの飲み会)」や「ペンス・ルール(妻以外の女性とは二人きりで食事をしないという、ペンス米副大…

頑迷な老人にならないために

若い頃、頑迷な老人が大嫌いでした。今でも苦手です。むかし取った杵柄をいつまでも後生大事に抱え込んでいて、新しい知識のアップデートを怠っていて、時代と激しくずれている方。しかもそういう方が権力を持っていたりするともう目も当てられません。でも…

語尾上げの殺意

劇作家の永井愛氏に『ら抜きの殺意』という戯曲があります。これは「来れる(来られる)」「食べれる(食べられる)」のような「日本語の乱れ」を題材にした傑作喜劇です。こちらの記事で詳しく解説されています。business.nikkeibp.co.jp私自身は「ら抜き言…

「イデオロギッシュさん」の復調

私、台湾の離島を旅するのが好きでして、これまでにいろいろなところに行ってきました。台湾人の友人や留学生からは「どうしてまた?」と聞かれるんですけど、ひなびた漁村の風情や360度誰もいない景色などがなんとも素敵なんですよね。バイクを借りてゆっく…

イベント参加者の不思議な行動

勤めているいくつかの学校では、受験希望者のための説明会や体験レッスンや公開セミナーのようなイベントによくかり出されます。生まれついての大声と「香具師みたい」と評される話し方がみなさまの印象に残る私の特徴のようで、どこの学校でも「こいつに客…

中国語の感嘆詞や語気助詞に萌える

中国語には「感嘆詞(かんたんし)」(これは諸外語にありますが)や「語気助詞(ごきじょし)」というのがありまして、これは主に文頭や文末に短くついていろいろな意味やニュアンスを表す言葉です。日本語の「あらっ?」とか「おおっ!」とか、「~してく…