インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

しごと

公式サイトや研究不正に見る翻訳への無理解

これまで、東京都台東区公式サイトや元SMAPメンバーによるユニット「新しい地図」における、機械翻訳丸投げによる珍妙な中国語や英語をさんざっぱら批判ないし揶揄してきました。こうしたサイトの珍妙な翻訳は、私が奉職している学校の幅広い国や地域の留学…

星条旗の51番目の星

スマホで中国語の講義をいろいろと聴ける『得到』というアプリがありまして、その中の名物講義のひとつに“罗胖老师”こと罗振宇氏の『罗輯思維』というのがあります。ご自分の姓“罗(羅)”を使い、“逻辑思维(ロジカルシンキング)”をもじって『罗輯思維』で…

「着るものについて学ぶ」のその後

絶望的にファッションセンスがないものの、ビジネスカジュアルで通勤するようになって以降、「制服」みたいに着られる定番のコーティネートを探していました。制服というなら毎朝ほとんど何も考える必要のないスーツを選べばよいのですが、はっきり申し上げ…

着るものについて学ぶ

私はファッションセンスがありません。かつては美術大学で学んでいたのですが、その当時から現在にいたるまで、とにかく服のセンスがダメダメで、特に色彩感覚というか色彩のセンスが絶望的に乏しい人間です。なにせ、英語のロゴが大きく入ったパステルカラ…

「ひとさまの通訳を聞いて」のその後

先日、北海道日本ファイターズの台湾人選手・王柏融氏へのヒーローインタビューで、通訳者さんの訳がテキトーすぎるんじゃないか、ファンは怒った方がいいんじゃないかという記事を書きました。qianchong.hatenablog.comこれについて、Twitterで野球やスポー…

ひとさまの通訳を聞いて

これまで、自分が通訳している音声や映像がネットにアップロードされたことが何度かありました。それはラジオ番組だったり,YouTubeだったりするのですが、業務終了後も半ば永遠にこうやって訳出が晒されるのって、ちょっと理不尽でもありますよね。それはさ…

背景知識が後押しする訳出

こちらの動画、任天堂がアメリカで『ポケットモンスター Let's Go! ピカチュウ』というゲームをプレゼンテーションする「ツリーハウスライブ」の様子です。youtu.beこの映像を見て、多言語コミュニケーションの新しい地平を見るような感覚にとらわれました。…

拙を守って田園に帰る

毎朝毎晩、通勤電車に揺られるたびに、人の多さに酔いそうになります。自分もその「人」のひとりであるのですから、全く身勝手なものいいですが、東京都心の、出退勤時の人の多さはちょっと異様ですよね。これでも「ピークオフ」と言いますか、ジムで朝活を…

「くっついていればいいじゃん」的な行動原理が実に興味深い

世界各国から集まっている留学生の立ち居振る舞いを見ていると、それぞれの民族性とかお国柄とか、あるいは世代の差のようなものが垣間見えて、とても面白いです。新学期が始まったこの時期は、学校の教務から様々な書類の提出を求められ、中には例えば保険…

「めっちゃ、ヤバいっす」をめぐって

日頃から、いわゆる「日本語の乱れ」についてはできるだけ寛容でありたいと思っています。私は日本語母語話者ですが、言葉は世につれ人につれ常に変化していくものですから、私の「よし」とする日本語だけが正しいとはとても言えないからです。これはまた、…

顔を名前をQuizletで一致させる

勤務先の学校では新しい年度が始まって、今年も四十名ほどの新しい留学生が入学してきました。この時期にもっとも苦労するのが、留学生のみなさんのお名前を覚えることです。中国語圏のみならず、世界各国から集まっているのでそれぞれの言語での名前の呼び…

留学生の通訳教材に頭を悩ませる

新学期が始まるこの時期。今年も外国人留学生の通訳クラス(私の場合は華人留学生の「中日通訳」)を担当することになるのですが、毎回教材の準備に頭を悩ませています。ある程度訓練が進んだ生徒なら、ネットに数多ある動画から講演やセミナーや説明会など…

「落とし穴満載感」ハンパない通訳者のお仕事

「シンクロニシティ」という現象をご存じでしょうか。Wikipediaには「複数の出来事が意味的関連を呈しながら非因果的に同時に起きること」と何やら難しいことが書かれていますが、要するに特に意図したわけでもないのに暮らしの中で起こる奇妙な符合のことで…

校則をなくしちゃった中学校

先日、服装に関する校則についてエントリを書いたんですけど、昨日はネットで偶然こんな記事を読みました。news.yahoo.co.jpこれはすばらしい取り組みだと思います。数々の校則を「そもそも、これ、いる?」とみんなで考えていった結果、校則そのものがなく…

容姿に干渉する校則はいらないんじゃないか

先日トレーニングに行った際、インターバルの時間にトレーナーさんから興味深いお話を聞きました。トレーナーさんのごきょうだいは中学校の先生だそうですが、この学校は校則がものすごく厳しいのだそうです。制服はもちろん、髪型にも厳格な規定があり、女…

専門家に教わる

不定愁訴、それに夜も寝られないくらいの肩こりと腰痛の改善を目指しパーソナルトレーニングに通い出して一年半ほど。この間の「収穫」は大きいものでした。不定愁訴(男性版更年期障害?)はほぼ雲散霧消しましたし、肩こりもほとんどなくなり、腰痛は……こ…

出勤前に「ととのう」

いまの職場に定期的に勤めるようになって数年、職場から歩いて五分ほどのところにスポーツジムがあることに気がつきました。今頃気づくというのも迂闊なことですが、いつも利用している地下鉄の出口とは別の出口近くにあって気づかなかったのです。いかに判…

再現性と個性

こちらのインタビュー記事、とても興味深く、また共感を持って読みました。能楽喜多流の能楽師、高林白牛口二(たかばやしこうじ)氏に取材した記事です。www.sbbit.jp 再現性について 共感を持ったのは例えば、AIやロボットの技術で優れた技芸を保存したり…

デスクワークは身体に悪い?

Twitterで、酔漢さん(@suikan_blackfin)に興味深い雑誌記事を教えていただきました。『日経サイエンス』の2019年4月号に掲載されている、H. ポンツァー氏の「運動しなければならない進化上の理由」という記事です。www.nikkei-science.comヒトと近い種であ…

通訳者に女性が多い理由と男性の家事

春は学校の学期が変わる季節。私が非常勤でうかがっている通訳学校も生徒募集のための公開講座が何度か開かれ、私も出講してきました。講座の最後にQ&Aの時間があるのですが、先日はこんな質問が寄せられました。 日本の通訳業界は圧倒的に女性が多いそうで…

医療通訳の現場で見落とされているもの

昨日Twitterのタイムラインで読んだこちらの記事。外国人観光客や在留外国人の増加に伴って、医療現場でもきちんとしたコミュニケーションを確保する必要が生まれているという話題です。style.nikkei.comスイスの作家マックス・フリッシュ氏が語ったとされる…

暗号通貨 vs. 国家

坂井豊貴氏の『暗号通貨 vs. 国家』を読みました。ビットコインに代表される暗号通貨(仮想通貨)の仕組み、特にその始まりから今日までの経緯と、ブロックチェーンの原理を分かりやすく解説した本です。とてもエキサイティングな内容なのですが、暗号通貨の…

ペダンチックな私

先日YouTubeでいくつかの「TEDトーク」を視聴しているうちに、ウィル・スティーブン氏の「TEDxで賢そうにプレゼンする秘訣」という動画に偶然行き着きました。youtu.beスタンダップコメディみたいな一種のお笑いパフォーマンスですけど、いかにもTEDふうのプ…

通訳者の仕事は時給換算できる?

とあるイベントでの通訳業務を仰せつかりまして、徐々に予習を始めていたのですが……。当日の午前中に急遽授業の予定が入ってしまい、代講もできない状況だったので、イベントを主催するクライアント(お客様)に集合時間を遅らせることができないかどうかと…

就活しなきゃいけないの?

3月1日は就職活動の解禁日でしたね。うちの学校で学んでいる留学生も、卒業に際して就職先が見つかった人がいる一方で、まだ見つからず、「留学ビザ」を「特定活動ビザ」に切り替えて就活を続ける人もいます。こんなご時世でも日本で働きたいと思ってくだ…

最前列に座るのが好き

語学の講座やセミナーなどで講師を担当しているとよく分かるんですけど、最前列に座ってらっしゃる方ほど熱心で、飲み込みがはやく、こちらの印象にも残ります(ときに最前列で爆睡、という方もいますが)。逆に前方の真ん中だけ「ぽかっ」と空いていること…

「どれだけ学べば稼げるか」をめぐって

年度替わりが近づくこの時期は、各種スクールで新学期の生徒募集が行われており、私も体験授業や学校説明会などに講師として参加することがあります。そういった場では最後に「Q&A」の時間が設けられているのですが、興味深いのは「このスクールにどれくらい…

学校は「遠きにありて思ふもの」

三月は学校の年度末。すべての授業が終了し期末試験の結果も出て、卒業式のシーズン到来です。というわけで先日、同僚の中国人講師に「生徒との別れが名残惜しくて……センセも?」と聞かれたんですが、私は答えに窮してしまいました。特に名残惜しいと感じな…

言葉のヒゲを刈り込むには

「冗語(じょうご)」という言葉があります。発言する際に、おおむね無意識のうちに差し挟まれる、発言の内容とは関係のない言葉のことです。例えば、話し始めに入る「えー」とか「あのー」「そのー」「このー」といった間投詞、あるいは「〜でですね」とか…

『ナカイの窓』と同じ心性は自分にもあるかもしれない

コンビニで働く外国人労働者の日本語を揶揄したこちらの番組が、TwitterなどのSNS上で「大炎上」していました。詳しい経緯はこちらの記事で知ることができます。wezz-y.com私も以前Twitterで以下のようなツイートをしたことがあるのですが、こうした、ちょっ…