インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

しごと

「カネの話は汚い、はしたない」と決めつける前に

山崎元氏の『お金で損しないシンプルな真実』を読みました。題名が題名ですし、装幀も薄くて活字が大きい割には大仰なハードカバーで、とかく「カネの話は汚い、はしたない」と考える方々は手に取りにくいかもしれませんけど、いやいや、健全なお金のリテラ…

上品な外語を話したい

先日、とある仕事の現場で、とても中国語の流暢な日本の方にお目にかかりました。ただ、とても流暢なんですけど、ごめんなさい、とても「下卑た」中国語を話されていました。ビジネスの現場なのに、口語調が強すぎるというか、くだけすぎてるというか、「タ…

救命講習を受けることにしました

先日、大相撲舞鶴場所で、土俵上で倒れた市長さんに救急救命をした女性に対し「土俵から降りてください」とアナウンスがなされたというニュースがありました。www.mbs.jp私自身は、伝統より人命優先だと思うし、女人禁制という大相撲の伝統もその根拠や歴史…

通訳者や翻訳者の仕事はなくなりますかと問われて

日本経済新聞のサイトで、こんなニュースに接しました。「翻訳機*1ポケトーク」の話題です。すでにYouTubeにも動画が上がっています。youtu.be 通訳学校の春学期を控えたこの時期、公開講座やセミナーの講師で登壇することがあるのですが、そうしたイベント…

バナナ

獅子文六氏の小説『バナナ』を読みました。ブログのコメント欄で知人が紹介してくれたので、さっそく購入して読んでみたところ、これがすごく面白い。文庫本で400頁以上の長編ですが、一気に読み終えてしまいました。 バナナ (ちくま文庫)獅子文六氏といえば…

自動でディクテーションできちゃった

む〜、いつかはそうなるだろうと思っていましたが、ついにこうなりましたか……。いや、昨晩こんな記事を拝見したのです。note.mu先般Google Documentの「OCRっぷり」がすごい、という話題に接していたので、これはもう早晩、音声から直接文字に、つまり“聽寫…

男子高校生の制服がかわいそう過ぎる

小学校・中学校・高校とすべて制服を着ていました。小学校は白シャツに紺の半ズボン(冬でも半ズボン)。中学校と高校はいずれも黒の「学ラン」です。そこから幾星霜、制服のことなど意識の片隅にも登らぬ日々を過ごしてきましたが、最近東京都中央区銀座に…

「遂次」通訳について

先日、一斉メールで通訳者にオファーを出し、採用者以外には返事を出さないエージェント(通訳者の派遣業者)「X社」の話を書きました。qianchong.hatenablog.com……と、またまた「X社」からオファーのメールが届きました。以前募集した案件の通訳者が足りな…

中壮年に至ってキャリアを捨てるすごさ

何週間か前、大江千里氏のこの記事を読みました。toyokeizai.net大江氏といえば、私たちの世代にはその高いキーの歌声でお馴染みの深いポップ・ミュージックのアーティスト。その氏がそれまでのキャリアを捨ててジャズに転向したことは知っていましたが、そ…

前車覆而後車戒。

先日、とあるファッションビジネス系の大学院における「華人率」の高さについて書きました。qianchong.hatenablog.comそれでいろいろと興味を持って、その大学図書館でこの本を借りて読んでみました。 誰がアパレルを殺すのかさすがファッション系の学部があ…

Et tu, JETRO?

以前、エージェント(通訳者の派遣業者)のウェブサイトにこんな記事を寄稿したことがあります。haken.issjp.com現在、多くのフリーランス通訳者を悩ませていると思われる「仮案件とリリース」についてはこの記事に当たっていただければ幸いですが、エージェ…

日本語教師が外語を学ぶ必要について

人工知能(AI)や情報通信技術(ICT)は日本語教師の仕事をうばうのか。そんな問いをテーマの一つに掲げた日本語教育関係のセミナーに出席してきました。もとより日本語教師ではない私は少々場違いではあったのですが「日本語教育とAI、ICT」というテーマが…

「頭でっかち」は先鋭化する

またまた「SUSONO(すその)」のトークイベントに参加してきました。今回のテーマは「食べる」。作家・ジャーナリストの佐々木俊尚氏と、オイシックスドット大地・代表取締役会長の藤田和芳氏の対談がメインのイベントです。susono.life有機野菜やオーガニッ…

『英子の森』を読んで身悶える

松田青子氏*1の小説『英子の森』を読みました。 英子の森 (河出文庫)文庫版の帯に、翻訳家の鴻巣友季子氏による解説の一部が惹句として載せられています。 おもしろい。そして怖すぎる。さあ、みなさん、手にとってください、読んでください。「グローバル英…

台湾や中国のリノベーション物件

先日参加してきた「SUSONO」のイベント、対談の中で佐々木俊尚氏が「日本の観光地で現在、中国人観光客が騒いでいるのに眉を顰めている人がいるけれど、数十年前の日本人もああだった。にぎやかでゴージャスが好きだった」というようなお話をされていました…

ファッションビジネスにおける「華人率」

先日、とある大学の修士課程研究発表のお知らせに接しました。実はこれ、私が嘱託でお邪魔している学校のものなんですけど、発表者名をながめていて、驚きました。お名前から判断するに、13名いる発表者のうち、日本の方はおひとりだけ。あともうおひとり韓…

一食抜くなど信じられない?

「不定愁訴とその後」でも書いたんですけど、体調が良し悪しが飲食、それも飲食の量と密接に関わっていることが実感できるようになってから、基本的にはお昼ご飯を抜くか、ほんの少し(例えばバナナ一本とか、ソイジョイ一本とか)しか食べないようになりま…

オリンピック・パラリンピックの通訳ボランティアについて

1月10日の日本経済新聞に、2020年東京オリンピック・パラリンピックの通訳ボランティアに関する記事が載っていました。通訳を教える大学が進んで通訳ボランティアを斡旋するという動きに違和感を覚えて以下のツイートをしたところ、いろいろな反応が寄せられ…

電車内での化粧は気になりません

昨日の東京新聞、詩人・伊藤比呂美氏の「人生相談」です。伊藤比呂美氏のこのコラムは毎回楽しみに読んでいますが、昨日もとても考えさせられる内容でした。私もバスや電車の中で、あるいは劇場や映画館などで、自分でも引いてしまうくらいイライラしている…

「タバコがかっこいい」だなんて、いつまでそんなことを言ってるの?

ここ十年ほど、おなじお店で髪を切ってもらっているのですが、若いスタッフさんが選んで目の前に置いてくださる雑誌が興味深いです。たいがい『BRUTUS』と『PEN』と『モノ・マガジン』。ここに、たまに『LEON』が加わります。スタッフさんの目には「そういう…

憧れどもなお近寄りがたき「田舎」

上下篇を続けて読みましたが、なんだか新年から暗澹たる気持ちになる記事でした。www.dailyshincho.jpここに書かれているような「田舎」の閉鎖性*1、私は身をもって体験したことがあるのでよく分かります。というか、私が体験したのはもう30年も前のことなの…

解らない人には解りはしません

白洲正子氏の『お能・老木の花』を読みました。能を紹介する本は色々と読みましたが、ここまで繊細で、かつ一種の気魄というか情念のようなものを帯びつつ迫ってくる文章は初めてでした。間に挟まれた芸談『梅若実聞書』も実に読み応えがありました。『梅若…

字幕翻訳のレートがあまりにも低い件について

足かけ十年ほど、途中休みをはさみながらも台湾エンターテインメント関係の字幕翻訳を続けてきました。ドラマやバラエティ番組、それにファンの方々が視聴するエンタメニュースなどの字幕を作るお仕事です。毎週しめきりに追われるなかなかタフなお仕事でし…

私たちのナイーブな言語観について

台湾の総統(大統領)選挙と立法院(国会)議員選挙が行われ、民進党の蔡英文氏が大統領に当選、立法院でも民進党が議席の過半数を占めるという「完全勝利」で幕を閉じました。一昨年、「反服貿」の「ひまわり学運」が立法院占拠という形に発展した際、日本…

何に旅情を感じるかについて

先日台湾へ出張した際、ホテルで朝食券をもらったんですが遠慮して、近くの「早餐店」に出かけました。このホテルには前にも泊まったことがあって、朝食はバイキング形式で豪華でもあるんですけど、なにかこう「いまひとつ」なんですよね。特に「台灣特色」…

通訳者の「向き不向き」

先日仕事の現場で、十数年ぶりの懐かしい方に再会しました。某企業のインハウス(社内)通訳者として働いていた頃ご一緒したことのある、他の企業のエンジニアさんです。当時を振り返って、こんなことを言われました。 門外漢だけど、ずっと同じ現場で同じ技…

オリジネイターに対する敬意

先週と先々週、通訳スクールの教材にこの映像を使ってみました。魅蓝note2发布会全程视频- YouTube中国のスマホメーカー魅族(メイズ)の新製品「魅藍note2」の発表イベントです。6月2日に開催されたばかりの映像がもうYouTubeに公開されていて、それを早速…

仮案件とリリース

先日、Twitterでこんなことをつぶやきました。とある通訳業務の「仮案件1」がリリースになったその日に、別の「仮案件2」が入っている日時とバッティングする形で「仮案件3」が入り泣く泣く断りましたが、この「仮案件2」だってリリースになるかもしれず…

通訳の道具1・バング&オルフセンのイヤホン

通訳の現場は毎回緊張の連続。しかもそれが、一緒にチームを組んで仕事をする「パートナー」のいる現場であればなおさらです。まだまだ駆け出しの私にとって、現場でご一緒するパートナーはいずれもこの業界の大先輩ばかりだからです。先輩通訳者のパフォー…

ディクテーションのすすめ

先日の通訳スクールでは、台湾の江宜樺行政院長の記者会見映像を訓練に使いました。その晩に統一地方選惨敗の責任をとって辞任されちゃいましたけど。いえ、単なる偶然ですが。でもって今朝の新聞には馬英九大統領(総統)も国民党の主席を辞任というニュー…