インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

しごと

「腰掛け」で仕事してると“緣分”が寄ってこない

先日、通訳学校の生徒さんから「キャリア相談」にのってくれませんかと話を持ちかけられました。教師という仕事をしていると、時々生徒さんからこうした就職や転職や進路などについての相談をされます。その際に一番よく聞かれるのは「センセは学校を卒業し…

「つるっつる」をめぐって

先日、学校の教員室に中国人留学生の男性(二十歳くらい)が課題のレポートを提出に来たんですけど、その彼が帰ったあとに同僚の教員がこんな声をあげていました。「脚がつるっつる〜!」なるほど、蒸し暑くなってきたこの時期、留学生のみなさんはより快適…

「話し方の訓練」をしているのかな

昨日は台湾の某テレビドラマに関連した「ファンミーティング」のお仕事でした。ドラマに出演している俳優さんたちが来日して、ファンとの“互動*1”をしたり、フォトセッションをしたり、握手会をしたり……。これまでにも何度もこうしたお仕事をしてきましたが…

日本統治時代の台湾におけるハンセン病患者隔離政策

昨日、元ハンセン病患者家族への賠償を命じた熊本地裁判決について、政府が控訴しない方針を決め、安倍首相が「異例のことではありますが、控訴をしないことといたしました」と表明しました。「異例のこと」に引っかかりますし(当然のことだと思うので)、…

対等な言葉遣いについて

BLOGOSに載っていた岩田健太郎氏のこちらの記事に共感を覚えました。いわゆる「言葉狩り」や教条主義的な語源重視(と、そこからの批判・批難)に対して、それは短見かつ「つまらぬこと」であり、言葉の差別性は言葉の表現のされ方よりもその言葉を使う人間…

体罰が日常的に行われた時代があった

台湾のネット書店で購入したアニメーション映画『幸福路上』のDVDを観ました。台湾の近現代史を背景にしたストーリーもさることながら、画面の隅々にちりばめられた様々な細かい描写のリアリティに「ああ、この雰囲気!」と身もだえするような懐かしさを感じ…

なぜリベラルは敗け続けるのか

岡田憲治氏の『なぜリベラルは敗け続けるのか』を読みました。政治学に関する岡田氏の著書はこれまでにもほとんど読んできましたが、この本では「安倍一強」を許した野党の誤りと、そしてかつてご自身も政治活動にさまざまな形で参加しながら野党同様に現在…

あえて日本語で話すことが「クール」なのにね

先日、華人(チャイニーズ系)の留学生は、非漢字文化圏の留学生に比べて日本語の音声に対するこだわりが薄そうだ、それはたぶん漢字という強力なツールがあるために、日本語の音に頼らずとも深い理解が可能だからかもしれない……という話を書きました。qianc…

どうして私なんかに相談してくるのかな

教師という職業を長年(といってもほんの15年ほど、それも断続的にですが)やっていると、学生さんから、それも卒業後しばらく経ってから様々な相談を受けることがあります。それは学習上の悩みであることも多いですが、もっと重い、例えば就職についてとか…

翻訳の好みは人それぞれ

留学生の通訳翻訳クラスで「通訳翻訳概論」という授業を担当しています。通訳学や翻訳学の専門家でも何でもない私が担当するのは正直に申し上げて荷が重すぎるのですが、「そもそも通訳や翻訳とはどんな営みなのか」を様々な例を挙げながら学んでいくという…

シャドーイングにご用心

外出しているときは、たいていイヤホンを耳に装着して音を聞いています。音楽を聴いたり、能の謡を覚えるために聴いたりすることもありますが、たいていの場合は語学教材の「シャドーイング」をしています。中国語を使う仕事に向かうときは、速めの中国語教…

中国語圏の学生における発音とリスニングの弱点について

私が担当している留学生の通訳クラスは、中国語圏の学生と「それ以外」の学生がほぼ半々で在籍しており、中国語圏の学生は日中・中日通訳を訓練し、「それ以外」の学生は日英・英日通訳を訓練します。「それ以外」の学生には英語の母語話者もいますが、多く…

だからWindowsだけはよせと言ったじゃない

勤めている学校の一つで、職員一人一人に新しい業務用パソコンが支給されました。Windows10を搭載したノートパソコンです。これまで長い間Windows7のパソコンで業務を続けてきたのですが、Microsoftのサポートが終了し、さすがにセキュリティ上も問題がある…

誰にでも起こりうることとして

池上正樹氏の『大人のひきこもり』を読みました。川崎市の登戸駅近くで起きた大量殺傷事件と、その直後に練馬区の元農水事務次官が息子を刺殺した事件。いずれも中高年の「ひきこもり」がクローズアップされましたが、自分もこれまでの来し方行く末を考える…

カネ目当てに留学生を集めているんだろうと言われて

今朝の東京新聞に、千人以上の留学生が所在不明で問題になっている東京福祉大学の記事が乗っていました。www.tokyo-np.co.jp元教員は「研究生を無制限に集めた上、教室や教員を整備しなかった。大学は学費目当てで、金もうけしか考えていなかった」と証言し…

“核心価値”をつかむ通訳訓練

現在複数の学校で通訳のクラスを担当しているのですが、そのうちのひとつは華人留学生が学んでいる専門学校です。この学校の留学生は、ほとんどが日本語学校で日本語を一年から二年ほど学んで入学してくるのですが、通訳訓練を始めてしばらくは、なかなか訳…

舞囃子の申し合わせ

趣味で続けている能の温習会(発表会)が間近に迫り、昨日は「申し合わせ」がありました。申し合わせというのは、本番の前日や前々日あたりに実際に能舞台でお囃子や地謡の方々も参加した上で、ひととおり舞ってみることをいいます。リハーサルのようなもの…

語学クラスにおける日本人と華人の「生態」の違い

語学の授業をしていると、日本人(日本語母語話者)の生徒さんと華人(中国語母語話者)の生徒さんでは生態(失礼)がまったく違うことに気づきます。日本人の生徒さんはとにかく静かです。語学の授業なのにずっと押し黙っていて、「分かりました?」とか「…

「高齢男性はそこにいるだけでキモいもんじゃないか」をめぐって

いつも拝見しているfinalvent氏の『極東ブログ』に、興味深い記事が載っていました。同じくこれもいつも拝見している鴻上尚史氏の『AERA dot.』での連載「鴻上尚史のほがらか人生相談~息苦しい『世間』を楽に生きる処方箋」の一記事、「66歳男性が風呂場で…

公式サイトや研究不正に見る翻訳への無理解

これまで、東京都台東区公式サイトや元SMAPメンバーによるユニット「新しい地図」における、機械翻訳丸投げによる珍妙な中国語や英語をさんざっぱら批判ないし揶揄してきました。こうしたサイトの珍妙な翻訳は、私が奉職している学校の幅広い国や地域の留学…

星条旗の51番目の星

スマホで中国語の講義をいろいろと聴ける『得到』というアプリがありまして、その中の名物講義のひとつに“罗胖老师”こと罗振宇氏の『罗輯思維』というのがあります。ご自分の姓“罗(羅)”を使い、“逻辑思维(ロジカルシンキング)”をもじって『罗輯思維』で…

「着るものについて学ぶ」のその後

絶望的にファッションセンスがないものの、ビジネスカジュアルで通勤するようになって以降、「制服」みたいに着られる定番のコーティネートを探していました。制服というなら毎朝ほとんど何も考える必要のないスーツを選べばよいのですが、はっきり申し上げ…

着るものについて学ぶ

私はファッションセンスがありません。かつては美術大学で学んでいたのですが、その当時から現在にいたるまで、とにかく服のセンスがダメダメで、特に色彩感覚というか色彩のセンスが絶望的に乏しい人間です。なにせ、英語のロゴが大きく入ったパステルカラ…

「ひとさまの通訳を聞いて」のその後

先日、北海道日本ファイターズの台湾人選手・王柏融氏へのヒーローインタビューで、通訳者さんの訳がテキトーすぎるんじゃないか、ファンは怒った方がいいんじゃないかという記事を書きました。qianchong.hatenablog.comこれについて、Twitterで野球やスポー…

ひとさまの通訳を聞いて

これまで、自分が通訳している音声や映像がネットにアップロードされたことが何度かありました。それはラジオ番組だったり,YouTubeだったりするのですが、業務終了後も半ば永遠にこうやって訳出が晒されるのって、ちょっと理不尽でもありますよね。それはさ…

背景知識が後押しする訳出

こちらの動画、任天堂がアメリカで『ポケットモンスター Let's Go! ピカチュウ』というゲームをプレゼンテーションする「ツリーハウスライブ」の様子です。youtu.beこの映像を見て、多言語コミュニケーションの新しい地平を見るような感覚にとらわれました。…

拙を守って田園に帰る

毎朝毎晩、通勤電車に揺られるたびに、人の多さに酔いそうになります。自分もその「人」のひとりであるのですから、全く身勝手なものいいですが、東京都心の、出退勤時の人の多さはちょっと異様ですよね。これでも「ピークオフ」と言いますか、ジムで朝活を…

「くっついていればいいじゃん」的な行動原理が実に興味深い

世界各国から集まっている留学生の立ち居振る舞いを見ていると、それぞれの民族性とかお国柄とか、あるいは世代の差のようなものが垣間見えて、とても面白いです。新学期が始まったこの時期は、学校の教務から様々な書類の提出を求められ、中には例えば保険…

「めっちゃ、ヤバいっす」をめぐって

日頃から、いわゆる「日本語の乱れ」についてはできるだけ寛容でありたいと思っています。私は日本語母語話者ですが、言葉は世につれ人につれ常に変化していくものですから、私の「よし」とする日本語だけが正しいとはとても言えないからです。これはまた、…

顔を名前をQuizletで一致させる

勤務先の学校では新しい年度が始まって、今年も四十名ほどの新しい留学生が入学してきました。この時期にもっとも苦労するのが、留学生のみなさんのお名前を覚えることです。中国語圏のみならず、世界各国から集まっているのでそれぞれの言語での名前の呼び…