インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

ことば

「ペラペラ」だなんておこがましくてとても言えない

もうずいぶん前のことですけど、毎日新聞に「村上春樹さん、村上文学を語る」という特集記事が載っていました。当時はウェブ版に未掲載でしたが、今はネットで一部が読めるようになっています。例えばこちら。www.47news.jpこの中で村上氏にインタビューした…

iPhoneやAndroidは機械通訳の夢を見せるか

「言語の壁は崩壊寸前」という、興味深い記事を読みました。こういう話題に接すると、商売柄すぐに「食えなくなるかも」といったナマな思考回路が働くのですが、そこをいったん離れてもっと大きな空想をしてみたいと思いました。jp.wsj.com三年ほど前に「自…

私たちのナイーブな言語観について

台湾の総統(大統領)選挙と立法院(国会)議員選挙が行われ、民進党の蔡英文氏が大統領に当選、立法院でも民進党が議席の過半数を占めるという「完全勝利」で幕を閉じました。一昨年、「反服貿」の「ひまわり学運」が立法院占拠という形に発展した際、日本…

何に旅情を感じるかについて

先日台湾へ出張した際、ホテルで朝食券をもらったんですが遠慮して、近くの「早餐店」に出かけました。このホテルには前にも泊まったことがあって、朝食はバイキング形式で豪華でもあるんですけど、なにかこう「いまひとつ」なんですよね。特に「台灣特色」…

「エロ」くて「オヤジギャグ」な古典

夏の「研修会」でいくつか仕舞の地謡を仰せつかったので、謡をせっせと覚えています。iPodに入れた謡をエンドレスで聞きながら詞章や拍子や節を身体に覚え込ませるんですけど、基本は学生時代に最も苦手としていた「古文」の世界ですから、なかなか身体に入…

大雑把な質問

『報道ステーション』を見ていたら、ワールドカップの決勝で負けたことについて記者が岩清水梓選手に「サッカー人生の中で何番目の悔しさですか」とインタビューをしていました。岩清水氏は困惑しつつも「三番以内には入りますね」と答えていました*1が、こ…

「ナマリング」のすすめ

かつて毛沢東主席や周恩来総理といった要人の通訳をつとめ、文化部副部長などを歴任された劉徳有氏がこんなことを仰っています。 在学校里你听惯了某一个老师的中文课,那个中国话可能是标准话,普通话。突然进入社会,接触各色人等,再听那些你所不习惯的中…

ディクテーションのすすめ

先日の通訳スクールでは、台湾の江宜樺行政院長の記者会見映像を訓練に使いました。その晩に統一地方選惨敗の責任をとって辞任されちゃいましたけど。いえ、単なる偶然ですが。でもって今朝の新聞には馬英九大統領(総統)も国民党の主席を辞任というニュー…

母語ではなくても推したり敲いたりできるか

台風が関東地方を直撃した昨日は、朝から都内某所でお仕事でした。私は千葉県の奥地に住んでいて、常磐線が停まってしまったら代替輸送機関を探すのはほぼ不可能な場所なので、万一を考えてお仕事の現場近くに前泊しちゃいました。格安のビジネスホテルです…

母語を学ぶことと外語を学ぶこと

平川克美氏の『グローバリズムという病』を読みました。株式会社をはじめとしたビジネスの論理だけで生き方を考えることに警鐘を鳴らしていて、快哉を叫びました。地域を捨て、文化を捨て、母語を捨て、様々な差異を捨てて「グローバル」なるものに溶け込む…

国に棄てられた人々

昨日、都内の某大学で、台湾の近現代史に関する簡単なレクチャーを行ってきました。レクチャーといっても私は台湾近現代史の専門家でも何でもないんですけど、仕事などでその地域に関わっている社会人を講師に招いて話させるという連続講座のひとつというこ…

新聞を読みましょう

通訳学校で、春学期の授業が始まりました。半年間の訓練の最初に行うガイダンスで、いつも「一般常識テスト」を行っています。と言ってもたいしたものではなく、日本と中国語圏の時事や教養に関する語彙について、口頭で簡単に説明してもらうだけです。今春…

台湾の“反服貿”について覚えた違和感

ここのところ連日、台湾の“反服貿”運動の動向を注視しています。“服貿”は“服務(サービス)貿易”の略。中国語で“海峽兩岸服貿協議”、日本語では「両岸(中国と台湾)サービス貿易協定」と訳されている、2010年に締結された「経済協力枠組み協定(ECFA)」に…

能とバッハとロックンロール

朝、細君を駅へ送った帰りに、車の中でInterFMの“Barakan Morning”を聴いていたら、珍しくバッハがかかっていました。番組のウェブサイトによると、"BWV 1067, MENUET ー BADINERIE" AURèLE NICOLET & KARL RICHTER & MUNICH BACH ORCHESTRA です。ネットで…

横断幕の裏に見えるもの

今月八日、サッカーJリーグの浦和レッズとサガン鳥栖の試合が行われた埼玉スタジアムで、“JAPANESE ONLY”と書かれた横断幕が掲げられ、Jリーグはこの横断幕を差別的だと判断、速やかに対応しなかったレッズ側にも責任があるとして、「無観客試合」などを含…

通訳者は「ひとりだけ門外漢」なのでぜひとも資料をいただきたいです

先々週から今週にかけて、通訳の仕事で少々忙しくしていました。といっても外に出かけるのは間欠泉的にであって、多くの時間を在宅ワークに充てているので、うちのお義父さんなんかは「あいつは全然働かねえな」と思っているかもしれません。 だいたい、通訳…

二つの対照的な対談

土曜日の午後、二つの対談イベントを「はしご」してきました。期せずしてとても対照的な対談でした。一つは、ピーター・バラカン氏と佐々木俊尚氏の対談です。池袋の東京芸術劇場で開催されている『Moving Distance:2579枚の写真と11通の手紙』というジャン…

「母語なんてちょろい」のか

先日のエントリで、「語学なんて『ちょろい』でしょ」という信憑について書きましたが、Twitterでは台湾の方からこんなリプライをいただきました。@QianChong 本当に不思議です。 日本の殆どの方が英語を学ぶのに苦労してきたり、外国語はなかなかマスター出…

通訳は「ちょろい」職業か

春節休暇(今年の春節は1月31日)のためか、都心に出ると観光客とおぼしきチャイニーズのみなさんを多く見かけます。日本の洗練されたところも、そうでないところも見て行ってほしいですね。本来の姿をありのままに体験してもらうだけで十分「おもてなし」に…

語学は筋トレみたいなものだけどホントにやりたいですか?

フランス語の教科書『スピラル』に付録でついている「ポートフォリオ」という小冊子は、フランス語に限らず外語学習者にとって貴重なヒントが満載です。これほど的確な外語学習のアドバイスは見たことがありません。版元が太っ腹なことにpdfを公開しています…

再び「英語を学ぶ人々のために」

年が明けて、また今年も仕事を頑張ろうという気持ちの時に、よく読み返す文章があります。戦後間もない昭和二十三年二月に書かれた、中野好夫氏の『英語を学ぶ人々のために』です。中野氏は、敗戦後に人々の英語熱が急激に高まったことを「むろん悪いことで…

通訳者の社会的地位

昨日は通訳スクールのセミナー&公開講座でした。珍しく男性が二名も参加されていました。普段はゼロか、いてもお一人のみという回が多いです。他の言語は分かりませんが、こと中国語通訳に限って言えば、圧倒的に女性が活躍している業界です。実際に開講し…

ついでに絵→音でリピート練習もできるといいのに

イメージと中国語の音を直接結びつけるアプリ、教科書の本文などもこうやってアニメーション化して、リピート練習できたりすると楽しいと思います。ここでも漢字は一切出しません(ピンインや数字などは出します)。授業ではこれをパワポで作って、教室のテ…

絵→音のシンプルな単語帳アプリがあるといいのに

シンプルな単語練習用アプリを夢想してみました。イメージと中国語の音を直接結びつける単語帳です。「日本人は漢字を知っているから、中国語は学びやすいんじゃないの?」とおっしゃる方がいます。確かにそういう側面はあるんですが、こと初中級の段階、つ…

鳩山氏に勉強しろと言われたので勉強してみた

鳩山元首相の尖閣諸島をめぐる発言が話題になっています。尖閣めぐり物議醸す発言の鳩山元首相、自宅前でも持論を展開(13/06/26) - YouTube ポツダム宣言に書いてあるでしょう。固有の領土は、北海道・本州・四国・九州、それが固有の領土だと。日本は戦争に…

おもろうてやがてかなしき

個人的にタイムリーな動画を、今朝配信されてきた『日経ビジネスオンライン』で見ました。カップヌードルのCMです。カップヌードル CM 「SURVIVE! グローバリゼーション」篇 - YouTube http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20130610/249414/「…

「英語プアの日本人は、ますます下流化する」のだろうか

きのう東洋経済オンラインに載っていたこの記事、みんなが英語を習得したいと言いつつ、学習時間が圧倒的に少ないという主張には同感です。でも子供たちを英語漬けにし、他の教科まで英語で教えろとの主張には、ものすごい違和感があります。というかこの記…

辞書の使い方・選び方セミナー

先週都内某所で、中国語辞書の使い方や選び方について話す機会を与えられました。辞書の専門家でもなく、中国語学の専門家ですらない私には荷が重すぎましたが、まあ学習者や仕事をしてきた立場から話してくれればいいということで。予想以上にたくさんの方…

修行僧的「フリー」のこころえ

フルタイムの職を辞して約ひと月ほど。またまた時間に拘束されない自由と収入が安定しない不安がごっちゃになったフリーランスの世界に戻ってきてしまいました。以前フリーランスだった時の反省点がいくつかあるので、その轍を踏まないように気をつけていま…

も〜学ばない理由が見つからない

語学学習のうち、ひとりでできる“聴(リスニング)”と“説(スピーキング)”の訓練といえば、結局「シャドーイング」と「リピーティング(もしくはリプロダクション)」に尽きると思います。シャドーイングは音声に合わせて「影(シャドー)」のようについて…

Macでの「テープ起こし」環境・その後

語学学習でも教材作りでも、日々一番利用する頻度の高いのは「テープ起こし」ソフトです。テープ起こしと言っても今は全部デジタルですからホントは「ディクテーションソフト」とでも言うべきですけどね。 Windows環境なら、「Okoshiyasu2」という最強最良の…

春節聯歓晩会の“小品”

留学生と一緒に、今年のCCTV春節聯歓晩会で上演された“小品(寸劇)”を見ました。旧暦の大晦日に生放送され、全世界の華人が十億の単位で見るという同番組。同僚の中国人講師に言わせると「年々面白くなくなってきてる。ここ数年はほとんど見てない」という…

分分鐘

“實況聽力”の授業で、中国の作家・韓寒が香港ブックフェアに参加したときのインタビュー映像を使ってみました。数年前の映像で内容はタイムリーじゃないんですけど、録音状態がよくて聞きやすいし、韓寒節がよく出ていて面白いので。字幕がついていますが、…

ちょっとちょっと、大丈夫かいな

日経ビジネスオンラインの記事が面白くて、毎日メールでダイジェストが配信されるたび、ご本家のサイトに行って読んでいます。ホントはさらにご本家の雑誌を買ってあげればいいんだけどね。 で、今日は『日経ビジネス』編集長の巻頭言がメールに載っていたの…

音声ファイルに絵をつける

音声ファイルを自由に遠隔操作できるようになったら、せっかくパワポファイルなんですから絵や写真も載せたいです。日本人学習者はおおむね中国語の文字(漢字)を読むことは得意ですが音に弱い、というより、漢字にすればすぐにわかるけれど音だけだとなか…

音声ファイルの遠隔操作

前エントリでご紹介した、音声教材を一文やワンフレーズずつに区切ったものを使うと、例えばクラスで“聴写(ディクテーション)”をさせるときなどに便利です。iPodのようなポータブルデバイスでもいいしノートパソコンでもいいですが、それをスピーカーにつ…

音声ファイルの編集

授業で色々な音声ファイル(主にmp3)を使うんですけど、使い勝手が悪くありません? 中国語だけ聴かせたいのに日本語訳が入ってるとか、「第1課、あいさつ」などとタイトルコールが入ってるとか、たくさんの例文が一つのトラックに入ってるとか、このトラッ…

中国語を学ぶ人のためのアドバイス

年が改まって、この一月から、もしくは四月の新学期から中国語を学び始める方もいらっしゃると思います。以下は、私が入門クラスの開講日にいつもお配りするささやかなアドバイス。日仏学院の入門クラステキストに載っていたアドバイスに触発されて作ったも…

樹挪死,人挪活。

中国人の同僚から“樹挪死,人挪活。”と書かれたメールをもらいました。“挪(nuo2)”は「移す」とか「動かす」という意味ですから、樹は環境を変えると枯れちゃうけど、人は環境を変えることで活きるということですかね。私がいまの職場を去ると知って贈ってく…

「型」を身につける

シノドス・ジャーナルに興味深い記事が載っていました。『思考の「型」を身につけよう 人生の最適解を導くヒント』という本の序文を転載したものだそうですが、学校(特に高等学校以降の教育)で何を教えるかについて、以下のように書かれています。 私は経…

中国語でしゃべらナイト。

昨晩何気なく見たNHKの『英語でしゃべらナイト』では、以前番組に登場したビジネスマンのみなさんが英語での交渉術を実践で学ぶという企画をやっていました。 http://www.nhk.or.jp/night/archives.html#lnkthisweek 日常的に英語を使ってお仕事をされている…

翻訳川柳

ツイッターで昨日始まった「翻訳川柳」。私もおもしろ半分で参加していたのですが、かなりの盛り上がりを見せました。トゥギャッターにもまとめられています。 http://togetter.com/li/60921 最初は「翻訳」川柳ということで、私も「通訳」ネタは控えていた…

駐日大使の日本語

先日OJTへ行ってきた生徒に「どうだった?」と感想を聞くと、「程永華さんの日本語がハンパじゃなかった」との答えでした。程永華氏は、現任の中華人民共和国駐日本特命全権大使です。 生徒いわく、「敬語などをキッチリ使いこなしているのもさることながら…

絵を見て話す

ココネのようにフラッシュを駆使した映像にはとてもおよびませんが、授業ではよくイラストや写真を使っています。眼にしたものをそのまま中国語で言う、という練習です。 日本人の中国語学習者はとかく文字に頼りがちで、文字さえ見ることができてそれを音読…

ココネ

ここ数年、さまざまな語学学習ポータルが登場していますが、この「ココネ(cocone)」というウェブサイトはなかなかおもしろいです。 http://www.cocone.jp/ ゲームで学ぶという部分はちょっと遊びの要素が強すぎて、語学トレーニングとしてはものたりない感じ…

「日本80後的中国観察家」

昨晩のWBS(ワールドビジネスサテライト)に加藤嘉一さんが出演していました。加藤さんは現在26歳。北京大学の大学院を卒業後、中国のメディアでコメンテーターや解説員をつとめ、日中関係に関する書籍も出版されています。もちろん流暢な中国語で。 初めて…

やたら詳しい

中国人留学生の授業で、このはとバスの話をしたところ、意外なところに食いついてきました。 実は今回ではなく前回のはとバスツアーに参加したときは、歌舞伎町の「ニューハーフショー」がコースに入っていたんです。まあ観光客向けですからそれほど「コア」…

Google日本語入力

Googleが日本語入力システムを開発、ということで、早速使ってみました。 http://www.google.com/intl/ja/ime/ 単語の辞書は、Webから機械的・自動的に生成することで、新語、専門用語、芸能人の名前などを網羅的に収録。 http://internet.watch.impress.co.…

kowtow

世界ウイグル会議のラビア・カーディル議長来日で、中国が日本に抗議……というニュースをネットで読んでいたら、以下の記事がリンクされていました。 英紙がインド鼓舞、「ラビア主席にビザを、中国にひれ伏すな」 http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=20…

空耳

たった今知ったんですけど、GreeeeNの「キセキ」で…… 太陽に沿って歩いて/永久の愛を形にして/いつまでもきみの横で笑っていたくて という部分がありますが、「太陽に沿って歩いて」じゃなくて「二人寄り添って歩いて」なんだとか!? そう言われてみれば、…