インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

ことば

武井壮氏と北の富士勝昭氏のコントラスト

昨日大相撲の秋場所が千秋楽を迎えました。私自身は相撲にあまり興味はないのですが、細君が大ファンで、休日の夕刻はたいがいテレビにかじりついています。私も夕飯の支度をしながら中継の音だけ聴いているのですが、いつも気になって仕方がないのが解説を…

母語なのに聴き取れない

華人留学生(出身地は中国・台湾・香港・マカオなど様々)の通訳訓練クラスを担当していると、時々おもしろいことが起こります。華人留学生なのに、つまり中国語が母語や準母語*1であるみなさんなのに、教材の中国語が分からない、あるいは聴き取れないこと…

動詞の活用ワークシート

以前動詞の「棚卸し」をやったのですが、それを繰り返し練習するためのワークシートみたいなものを作ってみました。一つの動詞をその意味とともに左上に書いて、そのあと……① 現在形肯定 6個 ② 第三不定詞 5個 ③ 第四不定詞 1個 ④ 現在形否定 6個 ⑤ 命令…

リアルな「秋の夜長」について

いつも楽しみに読んでいる、東京新聞朝刊の塩村耕氏による「江戸を読む」。今日は「朝夕(ちょうせき)」という言葉が取り上げられていました。江戸時代の日本ではこの「朝夕」が朝晩二回の食事の意味で用いられたのだそうです。一日三食が習慣になったのは…

「エレガントで、丁寧で常に笑顔」な日本人

最近、都営地下鉄に乗ると、車内のスクリーンで「都営交通」の宣伝映像を見かけることがあります。著名な国際的写真家グループである「マグナム・フォト」に所属する写真家、ゲオルギィ・ピンカソフ氏の写真と、氏へのインタビューをもとにしたスクリプトが…

フィンランド語 45 …複数形登場

ほとんど「ボケ防止」で始めたフィンランド語の学習は細々と続いています。先日フィンランドを旅行して、多少なりとも看板が読めたり、単語の羅列程度であっても話が通じたりすると、やっぱり楽しいものですね。学校での授業はどんどん進んで、複数形が登場…

「まあいいか」の練習

先日「オーウェル思考」という言葉を知りました。『1984』や『動物農場』『カタロニア讃歌』などを書いた作家のジョージ・オーウェルを連想したんですけど、全く違っていて、英語の“Oh, well(まあいいか)”なんだそうです。gendai.ismedia.jp 日頃から「ま…

「失礼しました〜!」に見る日本人的な心性

飲食店内で時々「失礼しました〜!」って声を聞きますよね。店員さんがお皿やお盆やなどを落としたりして大きな音を立てたときに、すかさず言うアレです。私はアレ、とても日本らしい風景だなと思います。少なくともこれまでに訪れたり住んだりした海外では…

フィンランド語 44 …ふたたび時制について

フィンランド語の学習も「現在形」「過去形」「現在完了形」「過去完了形」を学んで、ずいぶん複雑なことが表現できるようになってきました。先生が繰り返し強調されるのは、特に過去形と現在完了形の違いです。 Minä kävin Suomessa viisitoistavuotiaana. …

語学の「通学」に向かない方もいる?

留学生の通訳クラスでは、カリキュラムに演劇を取り入れています。これは日本語を「肉体化」してより活き活きと話せるようにするため、また人前で誰かに成り代わって話すという通訳者のお仕事の特性に鑑みて取り入れているものです。ネット上にある寸劇やコ…

機嫌のよい風の上に

先日ネットで検索中、こんな記事に出会いました。careersupli.jpサイト自体は転職サービスとのタイアップ企画みたいな作りですが、筆者のおっしゃることにはとても共感できます。いわく「不機嫌は未来を壊す」と。確かにいつも不機嫌な顔をしている人とはあ…

「ジョンソン」と「トランプ」の中国語表記をめぐって

イギリスでは保守党の党首選が行われ、当選した元外相のボリス・ジョンソン氏が首相に就任しました。海外の政治家など著名人の去就があった際、そのお名前を中国語でどう言うのかしら……というのが気になって、私はすぐに調べるのですが、ジョンソン氏は“約翰…

「です・ます」と「だ・である」の使い分け

華人留学生の通訳クラスを担当していると、いろいろと面白いことに気づきます。私たちの学校の留学生はおおむね日本語学校で一年〜二年程度学んで入学してきた方々なので、正直に申し上げて日本語はまだまだ発展途上。というわけで、通訳の訓練というよりは…

フィンランド語 43 …序数の復習

序数について復習しました。序数はものの順番を示すときに使う数詞で、日付とかビルの階数とか「ひとつめ、ふたつめ……」と数える場合に使います。英語や中国語の序数は比較的簡単ですが、フィンランド語の場合は数字が序数になって、さらに格変化を起こすの…

スマホがあってもお困りの外国人観光客はいるみたい

日ごろ東京都心のターミナル駅、新宿駅や渋谷駅の周辺を移動していることが多いのですが、駅の改札や地下通路の周辺地図などの前で、スマホやガイドブックを片手に困っているご様子の外国人観光客をしばしば見かけます。私もこれでなかなかの小心者なので時…

「話し方の訓練」をしているのかな

昨日は台湾の某テレビドラマに関連した「ファンミーティング」のお仕事でした。ドラマに出演している俳優さんたちが来日して、ファンとの“互動*1”をしたり、フォトセッションをしたり、握手会をしたり……。これまでにも何度もこうしたお仕事をしてきましたが…

あの「薄いビニール袋」を何とか避けたい

通訳クラスで、フランスの留学生と話していたら、「どうして日本のお店は包装が過剰なのか」という話題になりました。そのフランス人留学生は「日本のパンも大好き」なんだそうですが、日本のパン屋さんでの、パンを一個一個袋に入れて、それをまたビニール…

日本語はメチャクチャだけれど英語はバッチリ

ネットで調べ物をしていたら、おもしろいCM映像に出くわしました。外語学習教材「ロゼッタストーン」の宣伝です。youtu.be昔懐かしい「ガングロ」あるいは「ヤマンバ」の「ギャル」がお二人登場してこんなことをしゃべります。 それメンディーじゃねぇ? 卍…

対等な言葉遣いについて

BLOGOSに載っていた岩田健太郎氏のこちらの記事に共感を覚えました。いわゆる「言葉狩り」や教条主義的な語源重視(と、そこからの批判・批難)に対して、それは短見かつ「つまらぬこと」であり、言葉の差別性は言葉の表現のされ方よりもその言葉を使う人間…

フィンランド語 42 …語幹の求め方の「棚卸し」

「語幹の求め方」を総復習しました。フィンランド語は動詞や名詞や形容詞などが様々な格(単数複数合わせて30種類!)に変化して細かい表現を成り立たせています。これはごくごく大雑把に言うと日本語の「助詞」の働きと同じなのですが、日本語が例えば「花…

あえて日本語で話すことが「クール」なのにね

先日、華人(チャイニーズ系)の留学生は、非漢字文化圏の留学生に比べて日本語の音声に対するこだわりが薄そうだ、それはたぶん漢字という強力なツールがあるために、日本語の音に頼らずとも深い理解が可能だからかもしれない……という話を書きました。qianc…

ポエムになっちゃった

Twitterのタイムラインで、とても興味深い写真を見かけました。門司港駅の改札に掲げられている横断幕の写真です。日本語の文章の多くには主語がないんですが、英語に訳すと主語を入れる必要があります。機械翻訳ができない作業です。尚、are stoppedを言う…

翻訳の好みは人それぞれ

留学生の通訳翻訳クラスで「通訳翻訳概論」という授業を担当しています。通訳学や翻訳学の専門家でも何でもない私が担当するのは正直に申し上げて荷が重すぎるのですが、「そもそも通訳や翻訳とはどんな営みなのか」を様々な例を挙げながら学んでいくという…

下着ブランド名としての「Kimono」をめぐって

Twitterで「#kimono」や「#KimOhNo」というハッシュタグのついた多くの着物(和服)写真がアップロードされていました。アメリカのタレント、キム・カーダシアン氏が自らプロデュースした矯正下着のブランド名を「Kimono」としたことに対して、日本の伝統的…

チャイニーズのみなさんは立ち食いと冷えた料理が苦手

先日、華人留学生の通訳教材で“立餐宴會(立食パーティ)”という中国語が出てきたのですが、みなさんそこで一様に「うっ……」と訳出が止まってしまいました。ちなみに今、Googleの中国語インプットメソッドで「lican」と打っても、変換候補に“立餐”が出てきま…

フィンランド語 41 …動詞の「棚卸し」その2

授業では引き続き動詞の「棚卸し」をやりました。一つの動詞をめぐって……・現在形の肯定と否定 ・過去形の肯定と否定 ・現在完了形の肯定と否定 ・過去完了形の肯定と否定 ・命令形二人称単数の肯定と否定 ・命令形二人称複数の肯定と否定 ・第三不定詞 ・第…

シャドーイングにご用心

外出しているときは、たいていイヤホンを耳に装着して音を聞いています。音楽を聴いたり、能の謡を覚えるために聴いたりすることもありますが、たいていの場合は語学教材の「シャドーイング」をしています。中国語を使う仕事に向かうときは、速めの中国語教…

中国語圏の学生における発音とリスニングの弱点について

私が担当している留学生の通訳クラスは、中国語圏の学生と「それ以外」の学生がほぼ半々で在籍しており、中国語圏の学生は日中・中日通訳を訓練し、「それ以外」の学生は日英・英日通訳を訓練します。「それ以外」の学生には英語の母語話者もいますが、多く…

本当の翻訳の話をしよう

村上春樹氏と柴田元幸氏の『本当の翻訳の話をしよう』を読みました。雑誌『MONKEY』に掲載された、小説(なかでもアメリカ近現代の)や翻訳に関する対談を収めた一冊です。本のタイトルはティム・オブライエンの『本当の戦争の話をしよう 』へのオマージュで…

能舞台と東西南北

先日の温習会も終わり、今度は秋の会に向けてまた新しい曲をお稽古することになりました。今度は仕舞の「野守」です。鬼神が手にする鏡(仕舞ではこれを扇で表します)に、東西南北の神仏、さらには天上界や地獄界が映し出されるさまを表現していて、とても…