インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

ことば

フィンランド語 25 …教室用語

フィンランド語を細々と学び続けています。名詞も動詞も形容詞も代名詞もどんどん格変化し、語順で話すわけではない言語ということで、定型文を大量に覚えるという「戦略」が使いにくいため、いまだにたいしたことが話せません。いまはひたすら語彙を増やし…

もう少し怖れてもいいかもしれない

むかしむかし、通訳学校で学んでいた頃、ノートテイキング(メモ取り)の授業で講師の先生からこんな指導がありました。 何はなくとも数字、それに固有名詞だけはメモしてください。 そりゃそうですよね、数字や固有名詞(人名や地名、団体名などさまざま)…

フィンランド語 24 …命令形

新しい課に入って、命令形を教わりました。フィンランドの人々はこの命令形をけっこうよく使うそうです。別に「上から目線」というわけではなくて、むしろ親しみの表現のよう。それだけ人間関係がフラットというかフランクなんですかね。お隣のスウェーデン…

太平洋戦争 日本語諜報戦

武田珂代子氏の『太平洋戦争 日本語諜報戦』を読みました。本のタイトル、それに副題の「言語官の活躍と試練」からして興味をそそられます。 太平洋戦争 日本語諜報戦 (ちくま新書)アメリカ・イギリス・オーストラリア・カナダそれぞれの国において、各国が…

スポーツにも語学にも「向き不向き」がある

先日、Twitterのタイムラインで拝見したこちらのツイート(リツイートのリンクをたどっていくと元となったツイートまで辿れます)。私もまったく同じです!学校で一番体育ができなかった子だったのに、今では毎日エクササイズしないと調子悪くなるくらい体を…

フィンランド語 23 …出格stAの諸相

語順ではなく、格変化で話すのが特徴的なフィンランド語。どんどん新しい格が出てきて「てんやわんや」になっていますが、さまざまな意味を持つ「出格」について、授業でまとめが行われました。出格は「〜から出てくる」を表す格で、語尾は「-stA」です。 Mi…

周回遅れにもほどがある

先日、カナダのモントリオールで開催された女性外相会合に河野外務大臣が出席した件が話題になっていました。www.mofa.go.jp各国の女性外相が居並ぶ中、真ん中でたった一人の男性外相として記念撮影におさまった写真が取り上げられ、Twitter上で「炎上」した…

なぜ語学系のツイートは拡散しやすいのか

先日、日本経済新聞電子版のこの記事に思うところあって、Twitterでツイートしました。留学生が日本で最も「心折れること」の一つは、コンビニなどのアルバイト先でちょっとした日本語の拙さを揶揄されることだそうです。そういう人は一度我が身に置き換えて…

「日本人に代われ」や「まともな日本語を話せ」の恥ずかしさ

昨日、日本経済新聞のオンライン版に載っていたこちらの記事。小売店や飲食店で働く外国人が心ない暴言や嫌がらせなどを受ける事例が増えているという内容です。www.nikkei.com以前にも書いたことがありますが、留学生が日本で最も「心折れること」の一つは…

「さん」付け原理主義

昨日の東京新聞朝刊にこんな小さな記事が載っていました。警察庁の女性警視が、同僚の男性警視から受けたセクハラが「公務災害」に認定されたという記事です。見出しは「『ちゃん』で呼ばれ、セクハラも」となっていますから、「ちゃん」付けで呼ばれたうえ…

繊細でこまやかで美しい中国にひかれた

以前、日本で中国語を教えながら事業もなさっている中国の方とお話しする機会がありました。北京出身のその方は「北京があまりにも急速に変わるので、正直に言って悲しい。私の北京はどこに行ったの? という感じ」とおっしゃっていました。ちょうど吉川幸次…

最先端の知見が日本語で読める幸せ

吉川浩満氏の『理不尽な進化』と『人間の解剖はサルの解剖のための鍵である』を続けて読みました。日経ビジネスオンラインの、小田嶋隆氏のコラムで取り上げられていたのに興味を持ってすぐに購入したのですが、どちらも超絶的な面白さ。私などが言うのも僭…

チャイニーズの「舌打ち文化」

都内の、とある日本語学校の先生と話をしていて「中国人留学生がよく舌打ちするんだけど」という話題になりました。確かに、中国人留学生に限らず、チャイニーズ(中国語圏の人々。華人と言ってもいいですけど、音的に「歌人」や「家人」と間違えるので「チ…

東京五輪のボランティアは「人生最高の二週間」か「やりがい搾取」か

『ブラックボランティア』の本間龍氏と『東京オリンピックのボランティアになりたい人が読む本』の西川千春氏が対談という、ある意味奇跡的な(?)イベントに参加してきました。場所は下北沢の「本屋B&B」という、書店とイベントスペースを兼ねたような店舗…

ご主人と呼ばれて困惑する

昨日、Twitterのタイムラインで拝見した、こちらのツイート。帝国ホテルのサービスそんなにいいかな? 私が一番このホテルで嫌いなのは自分が出したクレジットカードを男性に返す習慣。クレジットカードを身内とはいえ本人名義以外に返すの本当に不安になる…

語学の「戦略」について

外語の学習は楽しいものですが、よく聞く悩みは「長続きしない」ということです。いやいや、かく言う私もこれまで結構色々な言語に手を出しては「敗退」してきましたから、んなエラソーなことは書けません。曲がりなりにも「ものになった」外語は中国語だけ…

フィンランド語 22 …文型の復習

これまでに出てきた文型を三つ、復習しました。 第一文型 「A olla B」の形で「AはBである」を表すものです。 Tämä on kirja. これは本です。 第二文型 「〜ssA on 〜」や「〜llA on 〜」のような「〜に〜がある」を表す存在文、「人称代名詞+llA on 〜」の…

母音の発声について

先日、謡のお稽古をしている際、師匠から「音程が上がったときの母音、特に『あ』の段が汚くなるので気をつけてください」と言われました。「以前よりもずいぶんきれいになりましたが、もう少し『引いて』丁寧に。でも声を小さくするわけではないですよ」と…

同調圧力から逃れるためのメンター

鴻上尚史氏による人生相談を読みました。帰国子女のお子さんが学校のクラスで浮いた存在になっていると悩むお母さんの悩みに答えたものです。dot.asahi.com鴻上氏は「同調圧力の強さと自尊意識の低さが日本の宿痾」と喝破した上で、とても現実的な解決策を提…

フィンランド語 21 …変格と出格

また新しい格が登場しました。「〜に変わると」という意味を表す「変格(へんかく)」で、語尾は「-ksi」になります。 Finland on suomeksi Suomi. フィンランドは、フィンランド語で(フィンランド語に変わると)Suomiです。 なるほど、語学学習でよく用い…

言語リテラシー教育(のようなもの)の必要性について

先日Twitterのタイムラインで拝見したtoraneko285氏(@toraneko285)のツイート。会議通訳の資料を会議開催日のギリギリになってどっさり送ってくるのはまさに「あるある」なんだけど、どうにかならないのだろうか。日本語を聞いて中国語に訳すのに、前日の…

「正しければ伝わる」わけではないです

先日の東京新聞朝刊特報欄に「世代を超えた社会運動は可能か?」という、とても考えさせられる記事が載っていました。 立命館大准教授の富永京子氏が若者への取材を通じて指摘する、大人(あるいは年長世代)と若者の政治や社会問題に対するスタンスの違い。…

ネット動画に見る通訳者のイメージ

先日Twitterで「 #一般人の方が時々誤解しておられること*1」というハッシュタグを見かけ、私もこんなツイートをしました。話せれば、訳せる。#一般人の方が時々誤解しておられること pic.twitter.com/ywcRh2KUaj— 徳久圭 (@QianChong) 2018年7月18日「話せ…

語学の「財産使い果たし系」について

こんなことを言っちゃうと身も蓋もないのですが、ここ十年ほど在日華人や華人留学生と一緒に通訳訓練や日本語学習を行ってきて感じるのは、やはり語学の習得には「向き不向き」があるのだな、ということです。学校教育では、語学の科目、例えば「英語」が「…

一条、二更、三感。

ふだんネットで通訳訓練用の教材を探していて、よくお世話になっているYouTubeのチャンネルが二つあります。中国の「一条」と「二更」というサイトのチャンネルです。一、二と数字が続いていますが、特に関係があるわけではないみたい。でもそのおしゃれでス…

フィンランド語 19 …動詞登場(その4)

先生が「ごめんね〜」と言いながら、さらにもうひとつのタイプを説明してくださいました。 stA, lA, nA, rA-タイプ 名づけて「スタラナラ・タイプ」です。動詞の最後が stA / lA / nA / rAで終わっているものです。このタイプは単語の後ろ二つの綴りを取…

塚本慶一先生のこと

中国語通訳者の塚本慶一氏が亡くなりました。享年七十歳。最初Twitterで、その後ネットの報道で訃報に接しました。j.people.com.cn塚本慶一氏といえば、日本における中国語通訳者の草分け的存在。著書の『中国語通訳への道』は旧版、新版ともに私も繰り返し…

消えていく句読点と新しい文体

スマホやパソコンの既読メールを整理していてふと思ったんですけど、華人の中国語メール、特にショートメールやLINEのトークでは、みなさん句読点などの記号(標點符號)をほとんど使わないんですね。面白いです。私は「ガイジン」だから中国語を書く=作文…

フィンランド語 18 …動詞登場(その3)

AtA, otA, utA-タイプ 先生が「動詞の変化パターンを一気に説明してしまった方が全体像が見えると思います」ということで、次のタイプの説明に入りました。動詞の最後が AtA / otA / utA で終わっているものです。このタイプは、真ん中にある t を取って語…

巧妙な皮肉と機械翻訳

Twitterのタイムラインで見つけたこちらのアカウント、なかなか皮肉が効いていて面白いです。当アカウントはウナギの絶滅に向けて、販売推進を行ってくださる企業様を応援しております。ウナギを絶滅させるにはこうした企業様がなんら絶滅の心配がないかのよ…