インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

ことば

黒歴史はあまり聞いたことがないって

華人留学生の通訳クラスで、無国籍の問題に取り組まれている陳天璽氏の講演を教材に使いました。【一席】陳天璽:無國籍生存とても分かりやすい中国語ですし、無国籍者としてのご自身の体験も語られており、国民国家とは、国籍とは、難民とは……と、考えさせ…

フィンランド語 12 …強調のキン・カーン

単語の最後にくっついて強調を表す接尾辞「kin」が出てきました。 Kenen tuo punainen kynä on ? Se on minun. Entä tuo sininen kynä, kenen se on ? Sekin on minun. あの赤いペンは誰のですか? それは私のです。 ではあの青いペン、それは誰のですか? …

「HINOMARU」の文語調について

先日来、RADWIMPSの新曲「HINOMARU」を巡って、ネット上には様々な情報が飛び交っています。私はその歌詞を一読して「なんだこれ?」と思った以上の感情は湧かなかったのですが、右や左の旦那様、じゃなかった皆々様の中にはことさらに神経を刺激された方も…

フィンランド語 11 …「〜の」を表す属格

主語や名詞や形容詞などが変化しまくるフィンランド語、これまで「〜の上に/で」の単数接格(llA)、「〜の中に/で」の単数内格(ssA)、複数(t)と学んできましたが、今度は「〜の」を表す単数属格というのを学びました。目印は「n」で、変化のさせ方の…

語学をもっと欲張ればいいのに

日本語を学んでいる、あるいは日本語と英語や中国語との通訳や翻訳を学んでいる留学生から、ときどきこんな相談というか、要求が聞かれます。 学校で教わる日本語はすごく「きっちり」してるけど、日本人の友達とかバイト先の日本人はそんな日本語を話してま…

フィンランド語 10 …曜日と昨日・今日・明日

初手からolla動詞と格変化で青息吐息ですが、「Milloin?(いつ?)」を表す言葉として曜日や昨日・今日・明日などを学びました。viikonpäivät 曜日maanantai 月曜日 tiistai 火曜日 keskiviikko 水曜日 torstai 木曜日 perjantai 金曜日 lauantai 土曜日 sun…

「この中国語はおかしい」について

通訳訓練では毎学期必ずと言っていいほどあることなのですが、今期も華人留学生から教材の中国語について「この中国語はおかしい。普段の生活でこんなことは言わない」との発言がありました。う〜ん、まあ語学教材はそもそもが架空の設定ですし、とはいえ文…

日本人にとって「ツンデレ」な中国語

私たち日本語母語話者が中国語を学ぶ際には、漢字の存在が手助けにも、またハードルにもなります。でも、かつての私もそうでしたが、中国語初学者の方に「なぜ中国語を学ぼうと思われたんですか?」と伺ってみると、たいがい「漢字を使っているから学びやす…

中国語文法の魅力について小一時間語る

先日、通訳のクラスで文法の話になった際、何人もの華人留学生が口々に「中国語なんて文法がテキトーで、無いも同然です」などと卑下しつつ言うので、驚きました。中には大学や大学院を卒業してから日本に留学してきた方もいるんですよ。私は「アホかー!」…

オリンピックのボランティアと大学連携協定について

参加要件が厳しすぎるとして話題になっていた東京オリンピック・パラリンピックのボランティア募集ですが、大会組織委員会が要件を見直したというニュースに接しました。https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180607/k10011468441000.htmlwww3.nhk.or.jp ※201…

フィンランド語 9 …olla動詞の復習

名詞や形容詞の変化で青息吐息ですが、変化のパターンはまだ「ssA(〜中に/で)」「llA(〜の上に/で)」「t(複数)」の三つくらい。これから先もどんどん新しい変化が出てくるそうです。ただ、変化のさせ方は同じパターンなので、規則を覚えてしまえば逆…

フィンランド語 8 … 単数と複数、そして「脚韻ふみまくり」

フィンランド語は人称代名詞が単数から複数になると、それに合わせてolla動詞も変化します。まあこれは他の言語でもよくありますよね。 人称代名詞 単数 minä olen … 私は…です。 sinä olet … あなたは…です。 hän on … 彼/彼女は…です。 複数 me olemme … …

フィンランド語 7 … 名詞に格語尾をつける(その2)

名詞に、「所格」の格語尾「-lla / -llä」をつけて「〜の上に/で」、「内格」の格語尾「-ssa / -ssä」をつけて「〜の中に/で」とする続きです。今日もいろいろなパターンを教わりました。●「osoite(住所)」に格語尾「ssA」をつけてみる。 osoite + ssA …

Twitterで起こる「発酵」

もう何年もTwitterを利用しています。理由のひとつは新聞やテレビや雑誌などとはまた違う種類の話題が頻繁に(あるいはそれらのメディアよりはるかに早く)飛び込んでくるのが面白いからです。また140字という字数制限の中で文章を書くことが自分の考えをま…

フィンランド語 6 … 名詞に格語尾をつける

フィンランド語は名詞や形容詞が格変化し、格の数は単数複数合わせて30もあるそうです。おお……。まずは名詞に、「所格」の格語尾「-lla / -llä」をつけて「〜の上に/で」、「内格」の格語尾「-ssa / -ssä」をつけて「〜の中に/で」としてみます。どう格変…

日本人が日本語と外語を行き来することについて

日本で学ぶ留学生が日本の暮らしで一番「心折れる」のは、不自然な日本語に対する日本人(日本語母語話者)の許容度があまりに低いことだそうです。例えばコンビニのバイトで、日本語の発音や統語法が少しでも不自然だと、あからさまに嫌な顔をされたり笑わ…

フィンランド語 5 ……三桁の数字と値段

先回99までの数字が言えるようになりました。そして100は「sata」です。100 sata 101 satayksi 102 satakaksi 103 satakolme : 110 satakymmenen 111 satakymmenenyksi200は「kaksi sataa」。最後に「a」がついて「サター」と伸びます。あとはこのパターン…

学校が後押しする「通訳ボランティア」について

先日、TwitterでNHKのこの記事が「東京五輪・パラのボランティア」「やりがい搾取」というキーワードでトレンドに入っていました。 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180521/k10011447361000.htmlこの件に関してはこれまでにも発信してきましたが、この期…

フィンランド語 4 ……場所と「はい・いいえ」

olla動詞は、主語に合わせて変化し「A olla B」で「AはBだ」を表すほか、「A olla 場所」で「Aは、どこそこにいる/ある」も表せます。「〜に/で」を言う時の場所を表す言葉を学びました。täällä ここに/で tuolla むこうに/で siellä そこに/で kotona …

フィンランド語 3 ……olla動詞と指示代名詞、時間

指示代名詞 tämä これ tuo あれ se それ……を使って「mikä?(なんですか?)」、「millainen? / minkälainen?(どのようですか?)」を聞き、答えます。「これ・あれ・それ」はいずれも「私」でも「あなた」でもない三人称なので、olla動詞は「on」になります…

暗く小さな声の生徒を前にして

通訳の訓練をしていると、生徒さんの中には、声が暗く、小さく、元気がない方がまま見受けられます。自分の訳出に自信がないので小声になるのだと思われますが、どうもそれだけではないみたい。訳出のたびに「もっと声を大きく、活き活きと、語りかけるよう…

フィンランド語 2 ……olla動詞と人称変化

olla動詞(オッラ動詞)はA=B、つまり「〜は〜だ」とつなぐときの基本的な動詞だそうです。英語で言えばbe動詞みたいなものですか。これが人称に合わせて変化します。●肯定形 (Minä) olen … 私は…です。 (Sinä) olet … あなたは…です。 Hän on … 彼/彼女は……

フィンランド語 1 ……入門

フィンランド語を学び始めました。中国語も英語もまだまだなのに、なんでまた? とまわりからは聞かれます。フィンランド語って、基本的にフィンランドだけでしか通じないんでしょ? だったらもう少し「使いで」のある言語にすればいいのに、と。それはまあ…

ボランティアに頼る「商売」はおかしいと思います

先日、Twitterのタイムラインにこんなツイートが流れてきました。【 #通訳ボランティア 】英語コミュニケーション能力を発揮して、活躍してみませんか?#TOEIC #ラグビー #ボランティア秩父宮みなとラグビーまつり2018▼詳細はこちら— TOEIC (@TOEIC_japan) 2…

おじさんとキツネのにおい

満員電車が苦手です。あの他人と身体が密着して身動きできない状態になるのが何とも苦しいのです。物理的に身体が接していなくても、人が多い場所に行くと「人圧」とでもいうべき人の圧力を感じて息苦しくなるので、これは若干心の病も入っているのではない…

かくも脆くかつ強靱な知性

與那覇潤氏の『知性は死なない』を読みました。與那覇氏といえば、六年ほど前に当時話題になっていた『中国化する日本』を読んでとても興奮したことを思い出します。何というか、たたみかけるような勢いというか「グルーヴ感」みたいなものがあって新鮮だっ…

“語言天才”の“語言精華”に接して

先日の東京新聞朝刊に、こんな記事が載っていました。“相聲”は中国版漫才と紹介されていますが、二人で演じるものの他に一人や三人以上という場合もあります。いわば「ピン芸」や「スタンダップコメディ」や「コント」などを包括した話芸のひとつですが、芸…

「泣いて/笑ってごまかす」について

先週日曜日、TBSの番組『サンデーモーニング』で、評論家で多摩大学学長でもある寺島実郎氏が、元財務省事務次官の福田淳一氏のセクハラ問題に関してこんなコメントをされていました。YouTubeに音声が上がっていた(https://youtu.be/xi2tcFmy7uo)ので、ち…

華人留学生の「鬼門」単語攻略のために

新学期が始まったばかりのこの時期、華人留学生の通訳入門クラスではまず人名や地名の「クイックレスポンス」から始めます。クイックレスポンスは、二人ひと組になって、出題側が日本語か中国語の単語を言い、回答側が即座にその訳語を言う訓練です。もし回…

しまじまの旅 たびたびの旅 39 ……芹壁村のスローガン

芹壁村はあちこちにスローガンがありました。中国大陸に肉薄している場所としての、かつての緊張感が静かに伝わって来るような気がします。“發揚媽祖精神”。馬祖精神を発揮しよう。“軍民合作”。軍と民間は力を合わせよう。“光𣸪(光復)大陸”。大陸を解放し…