インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

人の幸せを邪魔しちゃいけません

去る2月14日、「同性同士の結婚を認めないのは憲法が保障する婚姻の自由を侵害し法の下の平等にも反する」とした国賠訴訟が起こされました。ニュースソースはネット上にたくさんありますが、提訴前の取材記事であるこちらは、当事者の声や世界の状況、さらに…

フィンランドの “SISU” を勝手に感じてみる

カトヤ・パンツァル氏の『フィンランドの幸せメソッド SISU』を読みました(柳澤はるか氏翻訳)。 フィンランドの幸せメソッド SISU“SISU(シス)”というフィンランド語は他言語にひとことで翻訳するのが難しい概念のようですが、この本の第一章にはこんな形…

小確幸につながる炊事の「ころあい」

若者の「袋麺離れ」が顕著……という記事を読みました。blogos.comインスタント麺のうち、カップ麺は売り上げを伸ばしているのに対し、袋麺は「麺を茹でたり鍋や器を用意したりと調理に時間と手間がかか」ることに「特に若い人たちは不便さを感じて」おり、各…

お金の「見える化」が気持ちいい

先日とある「お金のリテラシーを学びましょう」という趣旨のセミナーに参加した際、家計の「見える化」が紹介されていました。私は根っからの「どんぶり勘定」人間で、お金だけでなく生き方そのものがどんぶり勘定かつ「出たとこ勝負」というかなりズボラな…

ネットカルマ

二日ほど前の東京新聞朝刊に載っていた佐々木閑氏のこちらのコラム、とても共感を持って読みました。ネット社会の到来によって、仏教で言うところの「業(カルマ)」が「実際の物理作用として実体化」したというの、スゴくよくわかります。いわゆる「炎上」…

内向型人間のすごい力

スーザン・ケイン氏の『内向型人間のすごい力』を読みました。内向型と外向型という二つの性格の型をめぐって、これまでの研究から明らかにされた科学的知見を元に、企業や教育現場などでの対人関係のあり方を論じた本です。 内向型人間のすごい力 静かな人…

無人島に一枚だけレコードを持って行くとしたら

「無人島に一冊だけ本を持っていくとしたら?」という問いがあります。繰り返し繰り返し熟読玩味するに足る愛読書を持っているかどうか……というのはなかなかに厳しい問いですよね。それまでの読書体験と、この先の人生観を同時に問われているようなものです…

「リベラル」ゆえの偏狭さ?

昨日cakes(ケイクス)で拝見した、渡辺由佳里氏のこちらの記事には色々と考えさせられるところがありました。cakes.mu「こんまり」こと近藤麻理恵氏の「片付け本」は私もずいぶん前に読んでハマったくちで、以来洋服のたたみ方やしまい方はずっと「こんまり…

遺体修復士のことば

今日も今日とて趣味(と実益を兼ねた)のディクテーションをやっていたわけですが。こちら↓は語速もゆっくりだし、そんなに難しい言葉もつかっていないけれど、とても深みのある動画で、通訳クラスの教材に使ってみようかなと思いました。極道から足を洗って…

牡蠣フライの思い出

先週この記事を拝見して、週末は絶対に牡蠣フライを揚げよう! と思いました。www.asahi.comスーパーに行くと牡蠣は「加熱用」と「生食用」の二つが売られていて、かつて私は、鮮度がいい方が「生食用」だと思って、いつもこちらで牡蠣フライを作っていたの…

語学の先生がふと口にする妙諦

フィンランド語を細々と学び続けて10ヶ月ほど。これまで通っていたクラスは昨年末で最少催行人数を割り込んでしまったとかで開講されなくなってしまいました。語学のクラスって、初級から中級にさしかかるあたりで継続する方がぐっと減るんですよね。東京都…

ブラボーおじさんと雑音許せないお兄さん

昨晩はキット・アームストロング氏のピアノリサイタルに行ってきました。プログラムはクープランのパッサカリア、 バッハのトリオ・ソナタ、フォーレの「9つの前奏曲」ほか、17世紀イギリスのウィリアム・バードのチェンバロ曲や、リストの「バッハの動機に…

「良記事」における据わりの悪さ

「良記事」という言葉があります。SNSなどでブログなどの記事を引用する際に「役に立ついい記事だから、みなさん読みましょう」といったニュアンスで使われる言葉です。「良い記事」だから「良記事」で名詞みたいですけど、「とても良記事」とか「たいへん良…

太るための“吃得精”

朝一番の授業は9:10に始まるんですが、留学生のみなさんはたいがいぎりぎりまで朝食を食べています。特にアジア圏の留学生のみなさんは、お国でも手軽な外食文化が発達していて自宅で朝食をとることが少ないからか、ほとんどの人がコンビニやファストフード…

藍と白の世界——アラビアと白山陶器

フィンランドにアラビアという陶磁器メーカーがあります。北欧なのにアラビアってのが不思議ですが、その由来がこちらのウェブサイトで紹介されていました。 創業当時工場の周辺がスウェーデン人の別荘地だったそうで、遊び心で通りに世界の都市の名前を付け…

理屈だけではない何か

食材にこだわって盛り付けにもこだわって、とっても「凝りまくり」なんだけど、あまりおいしくない料理ってありますよね。昨年だったか、『マツコの知らない世界』の「たらこパスタ」がテーマだった回で、最高級たらこをはじめ、最高級パスタ、最高級のり、…

ロイヤルコペンハーゲンの度胸

デンマークに「ロイヤルコペンハーゲン」という陶磁器ブランドがあります。「ロイヤル」の名の通りデンマーク王室の御用達だそうで、日本の古伊万里に影響を受けたといわれる藍色の唐草模様パターンがトレードマークのシリーズを始めとして、多種多様な製品…

男の編み物(ニット)橋本治の手トリ足トリ

昨晩、橋本治氏の訃報に接しました。今朝の新聞にも追悼記事が出ています。『桃尻娘』シリーズをはじめ、氏の作品はあれこれと読みましたが、私が最も影響を受け、かつ名著だと思っているのは、この記事にも「趣味を生かし、男性向けの編み物指南書も手掛け…

カタカナ用語が好きなんだなあ

今朝がた、2020年東京オリンピック・パラリンピックにおけるボランティアの愛称が決まったという報道に接しました。www.asahi.comオリパラについては、①大会役員やスポンサー企業は大儲けする一方での炎天下のタダ働きなどに応募する方の気が知れない+②国威…

愚直に楽しく語学を続けるために

先日、せっかく習い覚えた外語を忘れないために、ウェブ上の動画などを使って「聽說讀寫(聴く・話す・読む・書く)」を一応ひととおり鍛えられる方法をご紹介しました。qianchong.hatenablog.comあとは愚直にやるだけなんですけど、ディクテーションは少し…

語学と「恥」あるいは「芝居っ気」

日ごろ語学を教えたり、自らも生徒となって語学を学んだりしていてよく思うのは、語学学習の過程というのは一種の「演技」なんだな、ということです。唇や舌や声帯を日本語とは違うやり方でぎこちなく用いながら、そしておそらく日本語を話している時にはあ…

大きな声では伝わらないかもしれない

留学生に課題や練習方法の説明をしたり、教務(事務局)からの連絡事項を伝えたりする際、みなさん「聞いちゃいねえ……」と感じることがよくあります。若くて元気いっぱいだから、いつも教室は「わいわい」していて、なかなか注目してくれないということもあ…

自分ひとりで生きようとすること

先日、NHKの「ニュース9」で「九州大学 ある“研究者”の死を追って」という特集を放送していました。概要はこちらの特設ページで読むことができます。www3.nhk.or.jpこの特集は昨年の暮れに放送されたドキュメンタリー番組「事件の涙」を元にしたもので、多…

学んだ外語を忘れないようにするために

ある留学生からこんな質問を受けました。 センセは中国や台湾で暮らして中国語を学んだあと日本に戻ったそうですけど、その中国語をどうやって忘れないようにしていますか。 おおお、いいご質問です。確かに語学は筋トレのようなもので、外語はいわばその結…

「30歳の段階で貯金ゼロだった」をめぐって

こちらはTwitterのタイムラインで偶然目にした、ちきりん氏のツイートです。あたしは30歳の段階で貯金ゼロだった。その後は貯金しようとか考えなくてもどんどん貯金は増えていった。20代の時に貯金なんかせず、すべてを自己投資に注ぎ込んだおかげ。— ちきり…

キット・アームストロング氏の音楽

バッハに「パルティータ」という曲のシリーズがあります。バッハのなかでも特に好きな作品で、グレン・グールドが弾くそれは愛聴盤(ストリーミング時代に「盤」もおかしいですが)として繰り返し聴いています。open.spotify.comところが先日Spotifyで、これ…

茶髪や髭面はだめなの?

今朝の東京新聞に載っていた、ラグビー全国大学選手権に関する記事。明治大学が二十二大会ぶりに優勝を果たした要因には元監督による「競技外での指導」があったという「美談」です。以前の明大ラグビー部合宿所では玄関に履き物が脱ぎ散らかされていたのを…

なぜ運動選手がジムに通うのか

仕事でいくつかの場所に出向いたり、何かの集まりに参加したりする際、そこで会う方が同年代であった場合に必ずといっていいほど健康や体調の話になる——いやはや、情けないというか、イヤなお年頃になったものです。でもまあこれは仕方がありません。この年…

留学生と原稿用紙

仕事で留学生の作文を添削することがあるのですが、原稿用紙を使って書く際に、拗音や促音をこんな感じで一つのマス目に入れちゃう方がけっこういます。数えているわけではありませんけど、個人的な感覚ではこういうふうに書く方は全体の半分くらい、という…

下定決心,不怕犧牲。

華人留学生の通訳クラスで、教材に「爭取清真的商機」というフレーズが出てきました。「清真」は「イスラム教の」という意味で、「商機」は商機、つまりビジネスチャンスのことですから、いまふうに言えば「ハラールビジネスのチャンス」とでも訳せるでしょ…